ここ数年、中古車の人気が高く、価格の高騰が止まらない状態だ。実は、中古車の価格高騰が止まらない原因には、日本での人気だけでない事情もありそうだ。

ここでは、中古車の価格高騰が止まらない、その理由について解説する。

コロナ禍で乗用車の需要が高まる

中古車の価格は以前から高騰しているが、最近になってさらに高くなっている。その原因のひとつが、新型コロナウイルスの影響だ。

新型コロナウイルスの影響が拡大する中で、バスや電車の利用に不安を抱えている人も多い。移動手段にバスや電車の利用を控えて、乗用車を使う人が増えているのだ。そうなると当然中古車の需要も高まる。

愛知県の中古車オークションでは、21年12月の平均落札価格は前年比約30%高くなった。

乗用車の生産減で中古車を求めるユーザー増

中古車の価格高騰が止まらない理由のひとつに、乗用車の生産減もある。半導体不足などを理由に、メーカーの自動車生産が停滞している時期があった。そのため、新車の納期遅れが多くなり、中古車を購入するユーザーが増えたのだ。

また、新車の納期遅れを危惧したユーザーが新車の買い替えを控えることになり、下取り車も不足した。そこで、中古車の需要が供給よりも多くなり、中古車の価格が高止まる結果となっている。

海外への日本製中古車の輸出増

実は、中古車の価格高騰が止まらない原因には、アメリカへの輸出が増えていることもある。特にアメリカへの輸出が増えているのが、90年代の日本の中古車だ。

この背景には、アメリカへの輸入に関する「25年ルール」がある。25年ルールとは、アメリカでは日本車のような右ハンドルの車は登録や走行ができないが、製造後25年を過ぎるとこのルールの適用外になるというものだ。

日本製の中古車はもともと、高い燃費と耐久性から海外で人気が高い。そのため、海外への日本製中古車の輸出も増えている。

半導体不足は解消されず

中古車の価格高騰が止まらない理由には、新型コロナウイルスの影響による需要の増加や、海外への日本製中古車の輸出増などがある。そのため、半導体の需要は今後も続くが、半導体不足が解消されるかどうかは不透明な状態だ。

中古車価格の高騰が今後も続くかどうか、マーケットの動向が気になるところだ。

文・はせがわあきこ

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