実店舗とEC。それぞれの役割は?

コロナの巣ごもり需要は、ジェラート ピケのブランド力を成長させるきっかけになったが、2020年に緊急事態宣言が発令され、来店数が激減した時は「さすがに背筋が凍った」と豊山氏。だが、「ルームウェアブランドのパイオニアとしての役割をしっかり果たしたいと思った」と話す。

コロナをきっかけにECの需要が高まり、2021年度マッシュグループ全体のEC売上は、前年比126%。EC化率は32%で急速に進んでいるという。「ECを通して、世界中のお客さまと接点ができた。オンラインならではのスピード感を大切にしつつ、ECで商品を検索してくれたお客さまが実店舗に足を運んでくださったならば、スタッフが持ち前の個性を生かして接客し、 “感動体験”を提供するのがリアル店舗の役割」(同)

海外からのラブコールにどう応えていくか

「海を超えてジェラート ピケが届くのを楽しみにしているお客さまがたくさんいる」と豊山氏が言うように、海外からの“ひき”はある。今後、店舗数をどこまで拡大していくのか。

現在、海外店舗は、中国(17店舗)、香港(2店舗)、台湾(3店舗)、ニューヨーク(1店舗)の計23店舗(2022年3月末時点)。中でも中国と台湾での人気は絶大だ。

「海外展開については、今後の会社の成長に直結すると考えている。目標となる数字を掲げて店舗数を増やしているわけではなく、理想的な場所が良いタイミングで見つかり、我々と同じ考えを持つディベロッパーとともに展開していく」(同)

巣ごもりで人気爆発!「部屋着でおしゃれ」の市場を創造した「ジェラート ピケ」とは
(画像=マッシュスタイルラボ取締役・ジェラート ピケ事業責任者の豊山YAMU陽子氏、『DCSオンライン』より引用)

ポストコロナ時代は、世代も性別も、さらには国境も越えるシームレスな世界を実現する。「ジェラート ピケならそれができる。自信を持ってさらに世界に行ける」と豊山氏は語った。

提供元・DCSオンライン

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