維新の音喜多くん、立憲の中谷さん、自民の藤末さんという新刊「日本沈没を食い止めろ!」に登場した論客を招いたウェビナーで「どうして日本はドツボなのか、これからどうあるべきか」を語り合ったのですが、そのときに事前質問で「若者の投票率を上げるにはどうしたらいいと思うか」というのがありました。当日の様子は音喜多君がYouTubeにあげてくれました。

まずは日本の現況です。去年の衆院選の年代別投票率。

はじめての選挙で18歳は51.08%あるものの
10代 47.65%
20代 37.73%
30代 45.86%
40代 55.58%
50代 62.18%
60代 71.19%
70代 74.08%
80代以上 53.71%
と、年代で一番投票率が低いのは25~29歳の男性で33.57%
高いのは70代の男性です。顕著に低いのは20代~40代と言えるでしょう。
投票率の低い原因として「忙しい」「日曜を潰されたくない」というのは期日前投票がかなり自由化されましたけど、結局はたいした効果はありませんでした。もともと投票していた人たちが期日前に投票しているだけです。つまり「忙しいから」は大きな理由ではなかった感じです。
当日の回答ですが、私の方から実は韓国は日本と同じ儒教国家で少子高齢化も進んでいるのに選挙の投票率は全年代で70%と日本とは比較にならない。なにか根本的に違うのではないかという話をしたところ、
音喜多君
「韓国は徴兵制度があり、政治が間違えば自分たちが戦場に送られる認識が強い。政治に対しての関心が高いのではないか」
中谷さん
「電子投票も提案しているが、リトアニアについて研究したところ上がったのは高齢者の投票率だった。入院中や体が動かない人たちが投票できるようになったから。結局、元から投票しない人たちは電子投票でもしない。それより投票にたいしての敷居を下げることが必要ではないか」
という話がありました。
ところで、このウェビナーが終わってから思い当たる節があり、調べてみました。世代別に支持する政党があるかのデータです。


支持政党あり 20代 13%
30代 26.4%
40代 28.1%
50代 41%
60代 68.1%
70代 78.7%
高齢者には明確に支持政党があるが若者にはない
と、見事に年代が上がるごとに支持政党がある率が上がる。これに投票率を並べて見ると

「支持政党の有無と投票率」とには相関関係はあるとみていいでしょう。考えてみると簡単な話で
1 支持政党があると何も考えずに投票できる
↓
投票の敷居が率い
2 支持政党がないとまず人物から見比べないといけない
↓
●そもそもそれを考えないといけない
●投票したい人がいない
●いい人はいるが嫌いな政党だったり
●カスみたいな泡沫が多くて見比べるのも面倒
↓
投票の敷居が高い
ということですよね。年代別の支持政党はこのように出ますが、

高齢者は自民党なり立憲民主なりの支持政党がある人たちが8割近くいるから、投票所に行って「何も考えずに」その政党に属する人に入れれば良い。
しかし20代はそもそも支持政党があるのが13%しかいないから(この↑のグラフもその13%の内訳)、投票の敷居が非常に高く、投票率が低い。
全年代の投票率が70%の韓国はどうなのか。やはり若いほど支持政党がない人が多い。一見、日本と同じように見えるが

しかしながら、
支持する政党がある確率
日本20代 13% 韓国55%
日本70代 78.7% 韓国60歳以上 85%
と、20代の若者の支持する政党がある確率は、低いといっても韓国は日本の50代より高く、60代近いレベルなのである。
ここまでで私は若者の投票率が低いのは支持政党がないからという仮説を提唱するわけです。
韓国は水曜が投票日でその日は休日になります。では日本もそうしたら投票率が上がるかというとわたしはそうはならないと思います。
永江マーケティング理論では、若者の投票率が低い理由は・・・
介護用品を若者に売ろうとしているようなものだから!!
です。