模型やフィギュアには、ゼロベースからプラ板やパテ、粘土などを使用して製作する「スクラッチビルド」という手法があります。高い製作技術を要することはもちろんですが、文字通り何でも作れてしまう自由度はスクラッチビルドの大きな魅力です。
キット未発売のガンプラや、フィギュア作品はSNS等で時折見かけますが、ツイッターユーザー・コロニー製作所さん(@colony_mfg)が作りあげたのは、その名の通り「スペースコロニー」のスクラッチモデル。「人類が、増えすぎた人口を、宇宙に……」という例のナレーションが聞こえてきそうなほどの出来栄えに驚きです。
コロニー製作所さんは、主に「機動戦士ガンダム」の世界に登場する、ちょっとした脇役メカ等を、発売されているガンプラと同じスケールでフルスクラッチで製作。過去には「ファンファン」や「スペースランチ」といった、ファンならニヤリとしてしまう作品を作り、SNSにて公開しています。
そうしたメカをガンプラと共に並べているうちに、「背景にスペースコロニーがあったらいいなぁ」と考えるようになったコロニー製作所さん。たまたま訪れた雑貨屋にて、コロニーに使えそうなアクリルの筒を見つけ、製作してみることにしたのだそう。
通常は100分の1スケールの作品を手掛けていますが、今回のスペースコロニーは、背景に使用するということもあり、10万分の1スケールでモデリングしています。とはいえ、その大きさは全長45cmというビッグサイズ。決して楽に作れる作品ではありません。
製作の前には、ガンダム公式百科事典や、ガンダムアーカイブ等、公式設定から情報を収集。それにも明記されていない、細かいデザインや寸法はアニメを見直して、自分で設定をするなど、下準備を入念に行った模様。モノ作りに妥協を許さない、強いこだわりを感じます。
中でも圧巻なのは、コロニー内部の都市の作り込み。陸地は3つあり、それぞれ東京、ニューヨークと、作中に登場する緑地帯の多い都市を参考に、ひとつひとつの建物が丁寧に製作されています。コロニー製作所さん自身も「1mmのミスが100mのミスになるので、特に内部の都市のスケール感には気を配りました」と語るなど、苦労したポイントであるようです。
約4か月に及ぶ製作期間を経て、完成したリアルなスペースコロニー。しかしながら「作品の出来栄えは80点ですね、改良したい箇所は多々あります。別のコロニーを作ってリベンジします」と、まだまだ納得はしていない様子。今後の作品にも大きな注目が集まりそうです。
なお、今回の作品製作の様子は、YouTubeチャンネル「コロニー製作所」にて公開中。特にこだわった内部都市の作り込みの様子も見られますので、気になった方はぜひチャンネルをのぞいてみてください。
<記事化協力> コロニー製作所さん(@colony_mfg)
文・山口弘剛/提供元・おたくま経済新聞
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