見切り販売の動機
では、加盟店はどうすれば良いか。
「廃棄した商品」が原価に入らないのであれば、廃棄せず安値で「売って」しまえばよい。これが「見切り販売」ですね。
極端に言うと、「売価0円」でも良い。売りさえすれば、「売れた商品の仕入額」つまり「原価」として扱われる。コンビニ会計でいうところの「利益」が減る。結果ロイヤリティを減らすことができる。
これは、コンビニ本部としては困ります。
だから、見切り販売を禁止してきたのです。
導入に踏み切った理由
では、なぜ今になって、見切り販売に、本腰を入れ始めたのか。
公正取引委員会の圧力、食品ロスの社会問題化なども要因です。
しかし、最大の要因は、見切り販売の「悪影響」を、最小化できるテクノロジーを得たことです。
冒頭の記事によると、値引き後の価格は、過去の販売実績や気象条件などを元に、「AI」が決定するとのこと。これは、現在広まりつつある、ダイナミックプライシング(※5)の技術です。スポーツやライブなどイベントでは既に導入され、タクシーや鉄道などでも導入が見込まれています。
このテクノロジーを活用すれば、見切り販売を行っても、自社にとって有利な価格設 定ができる。これが、導入に踏み切った理由です。