3. 具体的な数値で比較してみよう

それでは、特徴的な年でもう少し数値的な比較をしてみましょう。

日本人はやっぱり預金好き?
(画像=図3 家計 金融資産 現金・預金 1人あたり 1997年
出典:OECD統計データ より、『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

図3が1997年の水準を高い順に並べたグラフです。

家計 金融資産 現金・預金 1人あたり
単位:$ 1997年 26か国中
1位 44,288 日本
5位 16,204 ドイツ
6位 15,241 イギリス
7位 13,742 フランス
8位 13,255 イタリア
11位 11,463 アメリカ
12位 11,304 カナダ
平均 10,762

当時日本は平均値の4倍以上の高水準だった事になります。
ドイツの3倍近く、アメリカの4倍ほども日本の家計が現金・預金を持っていた事は驚きですね。

日本人はやっぱり預金好き?
(画像=図4 家計 金融資産 現金・預金 1人あたり 2019年
出典:OECD統計データ より、『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

図4が2019年のグラフです。

日本はスイスやルクセンブルクに抜かれていますが、依然として圧倒的に高い水準をキープしていますね。

他国も軒並み水準が上がってきています。

家計 金融資産 現金・預金 1人あたり
単位:$ 2019年 36か国中
1位 109,166 スイス
3位 75,552 日本
6位 35,984 ドイツ
8位 34,082 イギリス
9位 33,631 アメリカ
10位 32,552 カナダ
13位 29,780 韓国
15位 27,533 フランス
16位 27,183 イタリア
平均 26,547

日本は平均の約3倍、ドイツやアメリカの倍以上です。

1997年と比較すると圧倒感は薄れていますが、非常に高水準です。

4. 成長率でも比較してみる

続いて、1990年代からの成長率でも各国の状況を比較してみましょう。

日本人はやっぱり預金好き?
(画像=図5 家計 金融資産 現金・預金 成長率
出典:OECD統計データ より、『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

図5は、1995年を基準とした場合の、家計の現金・預金(自国通貨ベース)の成長率のグラフです。

日本は1990年代の水準が高かったこともあり、成長率は低いですね。ただし、この期間労働者の所得は低下しむしろマイナス成長だった事を考えると、当時の1.7倍にも増えている事は少し驚きの事実なのではないでしょうか。

他国はより高い成長率で増えている事も確認できます。