いまとなっては懐かしいリトラクタブルヘッドライトは、安全性やデザインの変化を理由に、すっかり姿を消してしまいました。国産の最初はトヨタ 2000GT。では、国産最後の車は?リトラクタブルヘッドライトの歴史をみてみましょう。

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カッコいい車のシンボル「リトラクタブルヘッドライト」
日本初のリトラクタブルヘッドライトはトヨタ 2000GT

カッコいい車のシンボル「リトラクタブルヘッドライト」

2000GTに始まり、RX-7に終わる。リトラクタブルヘッドライトは、いかにして発展したのか?
(画像=『CarMe』より引用)

リトラクタブルヘッドライトとは、普段はライト本体やその装備を車体に格納し、点灯時のみポップアップするものです。

メリットは、ボンネットを低くして空気抵抗を軽減できること。そのため、スポーツカーやスーパーカー、日本ではスペシャルティカーにも好んで採用されました。

日本初のリトラクタブルヘッドライトはトヨタ 2000GT

2000GTに始まり、RX-7に終わる。リトラクタブルヘッドライトは、いかにして発展したのか?
(画像=『CarMe』より引用)

日本で初めてリトラクタブルヘッドライトを採用した車といえば、トヨタ 2000GTです。

1960年代前半、日産はフェアレディ、ホンダはSシリーズをそれぞれ市場に送り出し、いずれも軽快なオープンボディのスポーツカーとして日本国内外で人気を集めていました。

しかしその当時は、トヨタにはスポーツカーが存在していませんでした。そこで、トヨタのイメージリーダーになりうるスポーツカーの開発が始まり、1967年に誕生したのが2000GTでした。

先に出たライバル車たちに負けないよう、多くの新機構が採用されましたが、そのひとつがリトラクタブルヘッドライトだったというわけです。

リトラクタブルヘッドライト採用の理由は、2000GTが長く低いフロントノーズをもっていたことに起因します。それにより当時の法規で定められた高さにヘッドライトを置くことができず、必要なときだけ適正な高さにヘッドライトを出せる機構を採用したのです。