国民健康保険以外の3つの選択肢

フリーランスとして独立するとき、全員が必ずしも各々で国民健康保険に入るわけではありません。その他の選択肢として、以下の3つがあります。
- 国民健康保険組合に加入
- 家族の扶養に入る
- 会社員時代の社会保険(健康保険)を任意継続
選択肢1. 国民健康保険組合に加入
国民健康保険組合は、同業種の人が集まってつくる組合です。国民健康保険に入らない場合、国民健康保険組合に加入するという選択ができます。
国民健康保険組合の保険料は所得に関係なく一定なので、所得が高い方ほどお得です。
たとえば、フリーランスが加入できる国民健康保険組合として「文芸美術国民健康保険組合」は有名です。文芸や美術など創作・著作活動をしている方と、その家族が加入できます。
加入するための条件は、文芸美術国民健康保険組合の加盟団体に所属すること。
また自身の職種によっても、加盟できる団体は異なります。ライターには「東京コピーライターズクラブ」、イラストレーターには「日本イラストレーション協会」など、さまざまな団体があるため、自分に合ったものを探してみましょう。
文芸美術国民健康保険組合に納める保険料だけでなく、加盟団体へ支払うお金も考慮して加入する団体を決めましょう。
文芸美術国民健康保険組合 | |
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加入要件 | 加盟団体に所属 |
保険料 | 組合員 19,900/月 (医療分 16,000円 後期高齢者支援金分 3,900円)家 族 10,600円/月 (医療分 6,700円 後期高齢者支援金分 3,900円)※2020年 4月現在 |
内容 | ・法定給付 ・出産・死亡等に対する給付。 ・組合員や家族の健康の保持/疾病予防等 |
選択肢2. 家族の扶養に入る
国民健康保険に加入するより、家族の扶養に入ったほうが保険料を安く抑えられる場合があります。
ただし、以下2つの条件を両方とも満たさなければいけません。
- 自分の年収が130万円以下
- 扶養者の年収の半分以下
たとえばパートナーの年収が300万円で、自分の年収が130万円以下ならパートナーの扶養に入れます。一方で、パートナーの年収が200万円なら、自分の年収は100万円以下でないと扶養には入れません。
選択肢3. 会社員時代の健康保険(社会保険)を任意継続
フリーランスは、会社員時代に加入していた健康保険を任意継続することもできます。
その場合、これまで会社が負担してくれていた保険料が全額自己負担になることを覚えておきましょう。支払う保険料は会社員時代よりも増えますが、国民健康保険の保険料を支払うより安くなることもあります。
なお、任意継続には以下3つの条件をすべて満たさなければいけません。
- 会社員時代に2ヶ月以上継続して保険料を支払っている
- 退職の翌日から20日間が経過するまでに、継続手続きを完了する
- 加入して2年間継続する(途中で辞めることはできない)
加入後2年間は継続しなければならず、また保険料の支払いを1日でも滞納すれば強制的に辞めさせられてしまうデメリットもありますが、もちろんメリットもあります。
それは、扶養家族が多い場合です。
これまで家族全員の保険料を納めてきた場合は、任意継続することでお得になる可能性があります。条件さえ満たせば自分のみの保険料負担で済み、これまでのように家族全員分の負担をせずともカバーできるのです。
条件に合致する場合は、ぜひ任意継続を選択することも視野に入れてください。
民間保険を活用する
国民は公的医療保険に加入する必要がありますが、プラスアルファの対策として民間の保険にも加入できます。
たとえばフリーランス協会が提供する「ベネフィットプラン」。
「「2025まで働けますか?」 悩めるフリーランスに伝えたい、脱・自己責任のすすめ」でも解説されているとおり、健康関連の保険だけではなく、仕事上起こりうるトラブルにも対処できるよう、充実した内容になっています。
ベネフィットプラン | |
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加入要件 | フリーランス協会に一般会員として入会 |
保険料 (会員費) | 10,000/年 |
内容 | ・賠償責任補償 ・福利厚生サービス 「WELBOX」 ・所得補償制度 |