③大会までの減量期間

これは個人差がありますので、あくまで私の経験からくる話ですが、無理なく減量できるペースは「ひと月マイナス2㎏ほど」になります。これよりもハイペース、例えばひと月に4㎏、1週間に1㎏のペースで落としていくとなると身体にかかる負担も大きく、かなりの疲労を感じると思います。よほど体脂肪が多い状態であれば別ですが……。

まずは体組成計で測り、大会までに落とさなければならない体脂肪量を計算します。そこから月2㎏のペースで仕上げられるよう、逆算して考えればいいわけです。

例えば大会までに8㎏を落とさなければならないとなった場合は、4カ月は必要となりますが、目標体重まで減量したとしても、そこで本当に仕上がっているかどうかは実際に絞ってみないことには分かりません。

なので、そこから1カ月ほど微調整をする時間が欲しいところ。よって減量は4カ月にプラス1カ月、5カ月前から始めるといい、ということになります。

④減量の方法

減量期間の決め方「筋肉量を減らさずに効果的に絞るために知っておきたいこと」
(画像=『FITNESS LOVE』より引用)

体脂肪1㎏を消費するのに必要なカロリーは、7200㎉ほどと言われています。摂取カロリーと消費カロリーのバランスが取れている状態(現在の体重を維持している状態)から1カ月でマイナス7200㎉ ほどにすれば、1㎏ほど落ちることになります。日割りで換算すると1日につき240㎉ ほど。ひと月でマイナス2㎏のペースで進めたい場合は、約500㎉ になります。

240㎉は、食事で言えば、おおよそお茶碗一杯分ほどの白米の量。運動では、早歩き30分ほどで消費ができます。あくまで計算上の話ですが、1日の食事からお茶碗一杯分の白米を減らし、30分の早歩きを日課にするとマイナス500㎉になります。

減量の進め方の前提としては、全ての方法を一気にやるのではなく、一つずつ行っていくことです。「有酸素運動」や「食事制限」など、減量の方法の〝手持ちのカード〞が何枚かあったとすると、それを一度に切るのではなく、1枚1枚小出しにしていきます。

人の身体には恒常性を維持する機能があり、身体の環境を一定に保とうとします。例えば1日の摂取カロリーを減らしたとしても、身体がその状態に慣れてしまうと、体脂肪は減りづらくなります。そうなったところで次のカードを切っていくのです。

私の場合、減量ではない時期にPFCバランスをエネルギー代謝がされやすいと言われている「Pを15%以上」、「Fを25%以下」、「Cを60%ほど」にしておいて、減量に入るとFから下げて、徐々にCも下げていきます。1日の総摂取カロリーでいうと、減量ではない時期は3500〜4000㎉ で減量に入ると2300〜3000㎉になります。

ここで注意したいのは、炭水化物と脂質の量をカットしすぎないことです。炭水化物の量を制限しすぎるとトレーニング中の出力が落ちてしまいます。また、脂質も三大栄養素に数えられる、人間にとっては大事な栄養素です。

私の場合は、減量中のPFCバランスは「P40%以上、F20%以下、C40%」に設定しています。このバランスの食事を続けると、スムーズに減量を進めることができます。

有酸素運動に関しては、早歩きや角度をつけたトレッドミルを時速6㎞ほどのペースで歩くなどを、まずは20分を目安に始めるのがいいでしょう。実施するタイミングとしては、脂肪を燃焼しやすい時間帯というものがあるので、できるならその時間帯を活用したいものです。

起床直後は体内のエネルギーが枯渇している状態にあるので、運動で脂肪を消費しやすい状態にあります。可能ならば、朝食の前に有酸素運動を行います。会社勤めをされている方で駅まで歩く時間を有酸素運動として使えるのならほうがいいです。トレーニングはあくまで筋肉を刺激する時間、有酸素運動は脂肪を燃やす時間。それぞれを個別に行った方が効率よく進められると思います。