コンテストに出場するにあたり、まずマストで取り組まなければいけないのが「減量」である。しかしながら、初めて大会に出るとなると、現状から何キロ絞ればいいのか、どういったペースで進めればいいのかなど、分からないことだらけのはず。ここでは、ボディビルキャリア23年、ゴールドジムアドバンストレーナーの加藤直之氏に減量の「イロハのイ」について聞いた。

取材・文:藤本かずまさ

①コンディションの把握

減量期間の決め方「筋肉量を減らさずに効果的に絞るために知っておきたいこと」
(画像=『FITNESS LOVE』より引用)

全ては自分自身のコンディションを把握するところから始まります。現時点でどれほどの体脂肪が身体に乗っているのか。そこを抑えておかないと、どれだけ体脂肪を落とさなければいけないか、そのためにどのくらいの減量期間を取らなければいけないかなど、計画を立てることができません。

コンディションを知る手段は主に3つあります。1つ目は「キャリパー」という器具で皮下脂肪の厚さを測定する方法です。キャリパー自体はインターネットで検索するとすぐに見つけることができます。測る部位は腕の裏(上腕三頭筋のあたり)、肩甲骨の下の2カ所になります。

これは正確性は高いですが、知識のあるパートナーがいないと測定ができないので、一般の方には難しいかもしれません。簡単な方法としては、おへその下の辺りの皮下脂肪を指でつまんでチェックして、その厚さを一つの判断材料にするというのもあります。

2つ目は生体インピーダンス法を用いた体組成計での測定です。これはキャリパーで測るよりも簡単にできますが、体内の水分量によって誤差が生じます。起床直後と水を飲んだり食事をしたりした後とでは、体内の水分量は当然異なります。ある日は朝に測って、違う日は夕方に測って……、などしていたら、どの数字を信用していいのか分からなくなってしまいます。また、体組成計のマシンそのものが違えば、同じタイミングで測定したとしても同じ数字が出るとは限りません。

つまり、測るタイミングと測る体組成計を統一する必要があるということです。例えば、毎回起床後トイレに行った後に同じ体組成計でチェックし、その数字の変動で減量の進み具合を判断していきます。

3つ目は「見た目」です。これは鏡で毎日、自分の身体をチェックしていれば、次第に掴めてくるかと思います。1週間置きに身体の写真を撮っておくのもいいかもしれません。ライティングに変化がない場所で、同じポーズを取ります。写真に記録し、そこで変化が実感できるとモチベーションも上がってくるはずです。

②仕上がりの目安

減量期間の決め方「筋肉量を減らさずに効果的に絞るために知っておきたいこと」
(画像=『FITNESS LOVE』より引用)

減量が進んで体脂肪が落ち、コンディションがよくなった状態のことを「仕上がった」と言いますが、どこまで絞れば「仕上がった」と言えるのか。その判断材料としては「見た目」「体重」「体脂肪率」の3つが目安にできるかと思います。

私の場合は、おへその周りの皮膚をつまむ、体重、見た目で判断しています。以前はお尻の皮膚の感じで判断していたのですが、年齢を重ねるにつれてお尻よりもお腹周りの(脂肪の)ほうが残るようになってきたので、近年はおへそ周りの皮下脂肪の厚みで判断しています。

大会に出場をするようになって何度か減量をしてみると、脂肪が落ちやすい部位と落ちづらい部位というものが次第に分かってくるものです。私の場合は、お尻、お腹周りなので、そこで判断しています。

指でつまんで皮下脂肪の感覚を把握しながら、同時に体重をチェックしていきます。このくらいの皮膚の厚さで体重はどのくらいあるのか。これらを材料にしながら鏡で身体全体をみて仕上がりを判断していきます。

また、ボディビルやメンズフィジーク、ビキニなど、競技によっき、選手の身体を見ることをお勧めします。観に行けない場合は雑誌やインターネットで、その競技で求められるコンディションを知っておきましょう。ジムにその競技出身のトレーナーがいたら、相談してみるのも有効な手段です。