目次
【企業向け】従業員のポータブルスキルを伸ばす方法
企業に対するポータブルスキルのアピール例文

【企業向け】従業員のポータブルスキルを伸ばす方法

企業が従業員のポータブルスキルを伸ばすために効果的な方法をご紹介します。

方法1. 目標管理制度の整備

まずは、目標管理の制度を作りましょう。従業員に業務目標の設定や申告をしてもらい、目標への進捗や結果を主体的に管理してもらうのです。従業員のスキル向上や、業務への意識や質の向上を狙えるメリットがあります。

効果的に活用するために、次のことを意識しましょう。

企業側が意識すること施策例
本人が目標を意識できる環境を作る目につく場所に目標を常に貼っておく。
課題解決の試行錯誤を促す月次面談などで定期的な進捗管理を行い、目標達成のプロセスをサポートする。

目標管理をする際は、次の点に注意しましょう。

  • 目標を達成しなくてはならないノルマにしない
  • 目標達成そのものを目的としない

目標管理は本人のスキルを成長させるためのものです。上記の点に注意しないと、次のような問題を引き起こす恐れがあります。

  • 「達成できない」と感じた目標に対してやる気をなくし、従業員のモチベーションが下がる。
  • 達成できる目標しか設定せず業務の質が下がる。

方法2. 評価制度の整備

従業員のスキルや会社への貢献度を評価する制度を整えましょう。等級制度(評価に見合った役職への昇進など)や報酬制度(評価に見合った給与や賞与の決定)などがあります。

対人スキルやタスクマネジメントスキルなど、ポータブルスキルについても可視化し評価することで、従業員の意欲向上やモチベーションの維持に繋がります。

方法3. ポータブルスキル研修を利用/実施する

ポータブルスキルの研修を活用するには、社外で実施される研修会を利用する方法と、社内で研修会を実施する方法の2種類があります。

社外研修を実施する

近年、企業や個人によるビジネススキルやポータブルスキルの研修会が多く実施されています。来訪型やオンライン型など形態はさまざま。

「ポータブルスキル スキル 〇〇(地名)」などで検索し、自社にあった研修会を活用すると良いでしょう。

社内研修を実施する

ポータブルスキル(持ち運べる技術)とは? どこでも活躍できる人材になる方法
(画像=▲出典:ポータブルスキル活用研修、『Workship MAGAZINE』より引用)

社内でノウハウのない状態から、ミドル層に対してポータブルスキル研修会を実施する場合、厚生労働省の作成した「ポータブルスキル活用研修」の利用がおすすめです。

受講者配布資料と研修で利用できるスライドに加え、研修を行う上での注意点や活用ポイントなどが細かく記載されています。初めて研修を行う場合でも、要点を押さえた講義を実施できるでしょう。

次の必要経験を満たす講師と受講者を想定して、実施しましょう。

注意すべき対象者項目必要経験理由
受講対象者・コンサルタント業務の経験
・人事経験やキャリア面談の経験
求人企業へのヒアリングや求職者との面談場面を想定して作成されており、経験なしではイメージが困難なため。
講師対象者・人材紹介や再就職支援会社でミドル層/シニア層の転職サポート経験
・人材紹介や再就職支援の事業構造を把握しており、社員教育などの経験
講師自身による現場の体験エピソードや事例の紹介が、受講者の理解を深めるために有効なため。
(参考:ポータブルスキル活用研修)

企業に対するポータブルスキルのアピール例文

ポータブルスキルは、転職活動の際にも役立ちます。企業へアピールできるポータブルスキルを具体的に表すと、たとえば次のようなものがあります。

  • 語学力
  • PCスキル
  • マネジメントスキル
  • 課題解決力

自分のアピールしたいポイントを伝える際には、経験に基づいたエピソードを紹介すると効果的です。下記の項目を意識しながら、自身の経験をまとめてみましょう。

  1. どんな状況で
  2. どんな課題が生じ
  3. どんな対処をして
  4. どんな成果を出せた

の順に整理していくと簡潔に表現しやすくなります。

また、自身で認識していないスキルを確認するためには、キャリアアドバイザーなど他人に相談するのが効果的です。気づいていないだけで志望する企業が求めるスキルを持っているかもしれません。

次に、職種に応じたポータブルスキルのアピール例文をご紹介します。

【エンジニア】ポータブルスキルのアピール例

ポータブルスキル(持ち運べる技術)とは? どこでも活躍できる人材になる方法
(画像=『Workship MAGAZINE』より引用)
  1. どんな状況:自社プロダクト開発を実施する
  2. どんな課題:人員と納期の制限がある
  3. どんな対処:コストを踏まえた人員への指示出しや外注などの施策で時間的な効率化を図る
  4. どんな成果:目標値を超えた

この例文では、エンジニアとして人員・時間の課題に対して、マネジメント力を利用した課題解決経験をアピールしています。

事例2. ライター/編集者

ポータブルスキル(持ち運べる技術)とは? どこでも活躍できる人材になる方法
(画像=『Workship MAGAZINE』より引用)
  1. どんな状況:編集長として在籍する
  2. どんな課題:時間と予算の制約
  3. どんな対処:個性を尊重したメンバー育成と、資料を用いた記事作成の効率化
  4. どんな成果:800万PV達成

この例文では、ライター/編集者として時間・予算の課題に対して、人間性とマネジメント力を利用した課題解決経験をアピールしています。