ポータブルスキルとは、英語で「持ち運べる技術」を意味し、業種や職種が変わっても使えるスキルとして近年注目度が高まっています。

今回はポータブルスキルについて詳しく解説します。

目次
ポータブルスキルとは
ポータブルスキルの種類一覧

ポータブルスキルとは

一般社団法人 人材サービス産業協議会では、ポータブルスキルを「業種や職種が変わっても持ち運べる能力」と定義されています。

確かなポータブルスキルがあることで、社内異動や転職を重ねても、場所を問わず活躍できる人材となれます。

ポータブルスキル(持ち運べる技術)とは? どこでも活躍できる人材になる方法
(画像=『Workship MAGAZINE』より引用)

キャリア作りに必要な3段階の要素として、以下の3つが挙げられます。

  • スタンス:
    物事に対する姿勢、意識、各々の立場など
  • ポータブルスキル:
    対人スキル、タスクマネジメントスキルなど
  • テクニカルスキル:
    職種によって変化する専門技術

「スタンス」は仕事における基本姿勢であり、社会人であれば誰しも必要となるスキルです。そこにプラスして「ポータブルスキル」が乗ってくると、仕事を円滑に進められるようになります。さらにその上として「テクニカルスキル」があり、特定の技術者や領域のみで大きく活躍するスキルとして活躍できます。

ポータブルスキルは職種や業種異動に左右されず、かつ“プラスアルファのスキル”として重宝されます。ポータブルスキルを身につけておくことで、どこでも活躍できる人材となれるのです。

ポータブルスキルの種類一覧

ポータブルスキルは、主に「対人スキル(人との関わり方)」と「タスクマネジメントスキル(仕事の進め方)」の2種類に分けられます。以下でそれぞれ詳しく解説します。

対人スキル

ここでいう対人スキルとは、仕事におけるコミュニケーション能力です。「社外対応」「社内対応」「部下マネジメント」の3つに分類されます。いずれも複数人でプロジェクトを遂行する上で欠かせないスキルです。

社外対応・クライアントや社外関係者に対し、難しい内容を的確に説明した上で納得を得る。
・異なる考えや利害を持ち対立する社外の人々の意見を調整し、チームをまとめて指示を得る。
社内対応・同僚に対して自分の意志や考え方を説明し理解させる。
・異なる考えや利害を持ち対立する社内の人々の意見を調整し、チームをまとめて指示を得る。
部下マネジメント・スキルや専門の違うメンバーや部下の動機付け・育成・指導を行う。
・メンバーや部下の適性を把握し、業務を割り当てる。
(参考:ポータブルスキルセルフチェック)

タスクマネジメントスキル

タスクマネジメントスキルとは、課題に対する処理能力や遂行力を指します。「現状把握能力」「課題を設定する力」「計画の立案」「課題遂行能力」「状況への対応力」の5つに分類されます。

課題を分析・整理し、自分で考えながら効率よく対処するために必要な力です。

現状把握能力・動向をおさえるためにコンスタントに情報収集をする。
・情報やデータを分析し評価する。
課題を設定する力・自身の問題意識に基づき、目標や課題を設定する。
・新しい商品、技術、仕事のやり方を考える力。
計画の立案・最終的な目標に向け、効果的なシナリオを考える。
・課題の優先順位をつけ、具体的な実行プランを考える。
課題遂行能力・品質や納期を厳守して業務を遂行できる。
・プレッシャーが大きい中でも基準を達成できる。
状況への対応力・自ら責任を負って状況判断を行う。
・状況変化に対し、臨機応変な対応をする。
(参考:ポータブルスキルセルフチェック)