中古車と新車は購入にいたる経路が全く違ってた
1 新車と中古車は比較検討しない
中古車を探す人は「新車より割安」という視点から探すので、新車と中古車はまったく競合していなかった。300万の新車が中古だと200万だとすると、300万の新車を買う人は300万の新車から探し、300万の中古車は探さないのである。同様に200万の中古車を買おうとする人は車格が落ちる200万の新車は選択肢にはいらない。
2 新車と中古車は購入に至る経路が異なる
新車は同じ物がたくさんあり、中古車は一物一価であり、まったく商品特性が異なる。そして購入決定に至る経路がまったく違っていた。新車はカタログを見た段階で購入を決意した人が半数いて、当たり前だが中古車は実車を見た時が購入を決意するときだ。面白いのは新車はたしか実車よりカタログを重視する傾向があった。
ここまで来るとおわかりだと思うが、新車と中古車を総合誌にしたところでまったく比較検討しない商品で、それまで中古車専門だったところに新車の記事や広告をいれたところで誰もビクとも動かないのである。新車、中古車、外車、ヤン車とそれぞれの専門誌に業界も分かれていた。 普通なら「新車は無理です」というところで実際に上司には何度もそれをいったが答えは
「それを江副さんが聞いてくれると思うか。とにかくやれ」 www であった。
仮説を立ててそれを回してみる
そこで、仮説を立てた。
カタログを読んで大多数が購入を決意するなら、カタログをまんま別冊で付けたら効果が出るのでは?
というもの。 そのアイデアをプレゼンしたら、某大手メーカーの担当者が非常に興味を持ってくれて、1000万円の予算を付けてくれた。ヤッター!!!!であります。
しかし普通に入れても中古車誌として認知ができているから新車の購入を検討する人は誰も買わない。 で、わたくし考えました。
当時のカーセンサーは電車の中吊り広告を全線に入れていた。編集部と宣伝部に必死に交渉し、受注が取れたら中吊り広告に大きなスペースをもらって「ニュー××のミニカタログ付録」という告知をするのである。結果、メーカーとは契約が進み、発表前のクルマのカタログのデータを機密保持契約を交わして拝借し、新車発表の翌日にそれを付録にしてカーセンサーは発売された。