融資限度額の目安
一般的に、不動産投資ローンの融資限度額の目安は、年収の7~10倍といわれています。
つまり、年収500万円の人であれば、おおよそ3,500万円~5,000万円が融資限度額の目安になるということです。
ただし、これはあくまで「目安」です。
先ほどもご紹介したように、金融機関は物件の収益性や本人の属性などの条件を踏まえて総合的に審査しています。
同じ年収の人でも、勤務先や勤続年数、サラリーマンと自営業、収入の内訳(本業と副業など)、他の借入金の残債、購入する物件などの条件によって融資限度額が変動することが考えられるでしょう。
【年収別】不動産投資の物件購入例
ここでは、不動産投資の購入物件例を年収別にご紹介します。
今回ご紹介するのはあくまで一例ですが、ご自身の状況に近いものを参考にしていただければ幸いです。
年収500万円
融資限度額の目安 | 3,500万円~5,000万円 |
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購入物件例 | 新築区分マンション 中古区分マンション |
年収500万円の方の場合、新築・中古の区分マンションへの投資が検討できるでしょう。
築年数にもよりますが、中古区分マンションの場合、担保評価が低い傾向にあるため、審査に通りやすくするためには、ある程度まとまった自己資金を準備する必要があります。
ご紹介した年収600万円の松島さまは、頭金10万円で新築区分マンションを購入しています。
新築の場合は建物の法定耐用年数が残っているため、中古物件よりも担保評価が高いのが特長の1つ。
そのため、新築区分マンションは自己資金が少ない場合でも検討しやすいといえるでしょう。
年収800万円
融資限度額の目安 | 5,600万円~8,000万円 |
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購入物件例 | 新築区分マンション 中古区分マンション 中古一棟アパート |
年収800万円の方は、年収500万円の方よりも大きい金額の融資を受けられる可能性があるため、中古一棟アパートも視野に入れられるでしょう。
ご紹介した年収700万円の竹田さまは、頭金100万円でJR総武線、都営地下鉄浅草線「浅草橋駅」から徒歩4分の新築マンション(1K)を2,400万円(2016年購入時価格)で購入しています。
竹田さまは、さらに投資物件を増やしていこうと考えているとのこと。
このように、1つ目の物件を足掛かりにして複数の物件を所有していく投資方針も検討できるでしょう。
年収1,000万円
融資限度額の目安 | 7,000万円~1億円 |
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購入物件例 | 新築一棟アパート 中古一棟アパート 区分マンション2~3戸 |
年収1,000万円以上になると支払う税金も高くなることから、より高い収益性や節税効果を求めて一棟アパートを検討する人もいるでしょう。
大きな家賃収入を目的として新築アパートを建築したり、建物の減価償却による節税効果を狙って中古アパートを購入したりするなどの投資方法が考えられます。
また、区分マンションを複数戸購入して分散投資する方法もあります。
たとえば、ご紹介した年収1,060万円の高橋さまは、区分マンション3戸を所有しています。
不動産は高額な買い物になるからこそ、複数の物件に投資してリスクを分散する戦略も考えられるでしょう。
年収400~500万円
融資限度額の目安 | 2,800万円~5,000万円 |
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購入物件例 | 中古戸建て 中古区分マンション 新築区分マンション |
年収400~500万円の方の場合、金融機関などの条件によっては審査が通らないことがあります。
その場合は、収入を上げる、自己資金を増やすなど属性を上げるための対策が必要でしょう。
融資が受けられないけれど不動産投資をしたい人は、現金で購入できる範囲での物件を探す方法もあります。
しかし、不動産投資はレバレッジ効果により収益性を高められることがメリットの1つ。
ただし、不動産投資では物件購入後にも支出が必要になる場面が出てくることもあります。
現金で物件を購入する場合でも、ご自身の収入や資産状況、今後のライフプランなども考慮した上で検討しましょう。
年収400万円未満
年収400万円未満の方は、ある程度のまとまった自己資金を準備しましょう。
自己資金をまったく用意できないと、融資を受けられない可能性が高くなるからです。
民間の金融機関から融資を受けるのが難しい場合に日本金融政策公庫から融資を受けられるケースもあります。
ただし、日本金融政策公庫では「不動産投資ローン」は取り扱っていないため、融資目的が「不動産賃貸事業」となり、融資申込の際に「事業計画書」などを準備する必要があります。
また、融資期間は10年~15年と短くなっているため、一般的な金融機関から融資を受けた場合と比べて月々のローン返済額が大きくなってしまいます。
さらに、日本政策金融公庫の担保評価は低い傾向にあるため、他の金融機関から融資を受けた場合と比べて、購入時に必要な自己資金は多くなります。
いずれにせよ、ある程度の自己資金は必要になるので、まずは資金を準備すること、そしてご自身の収入や属性を上げるための対策を行うとよいでしょう。