あご出汁の原料

トビウオは運動量が非常に多いため、脂肪分や雑味が他の魚より少なく、さっぱりとした上品なダシが取れるとされています。

長崎県の五島地方では、主に漁獲されるホソトビウオを原料に煮干しを作っています。この煮干しはあごだしと呼ばれ、最近ではごく当たり前のようにスーパーで購入することが出来ます。

少し前まではあご出汁はあまり普及していなく、テレビなどでは『幻の出汁』などと紹介されている時期もありました。

あご出汁の「あご」はトビウオって知ってた? 約600m飛ぶことも
(画像=あご出汁はこんな見た目(出典:PhotoAC)、『TSURINEWS』より引用)

最大600mの飛距離

トビウオのイメージと言えば美味しいよりも「飛ぶ」ですよね。

他の魚よりも長い尾びれと、翼のような胸鰭を使って空を飛びます。

トビウオは種類にもよりますが、平均すると200mほどの飛距離を飛ぶことができます。大型種になるほど飛距離も伸び、600mほど飛べるといわれています。

また、水面を滑走している時は時速30~40km、滑空時は時速50~70kmほどのスピードを出していると言われ、そのままの状態で1分近くも飛ぶことが出来ると言われています。

飛ぶために進化したからだ

トビウオは長い尾びれを左右に振ることにより、推進力をつけ、水面を飛び出します。その後は、胸びれと腹びれを広げてグライダーのように使うことで飛距離を伸ばします。

翼のような胸鰭は全長の2/3ほどもあり、広げるとまさに翼や飛行機の羽のようです。

また、トビウオには胃がなく、他の消化器官も短く直線にすることで、体を軽くし、飛距離を伸ばしていると考えられています。

トビウオが飛ぶ理由

飛行中でもブレーキをかけることや、方向転換ができることなど、意外と器用な飛び方ができるトビウオですが、具体的な飛ぶ理由は定かにはなっていません。しかし、有力なのはマグロやシイラなどの大型魚から逃げる手段でるというものです。

同様に大きな漁船が近くを通った時もまるで勢いよく逃げていく姿を見ることが出るため、短時間で遠くに行くための手段であるのは間違いないでしょう。