目次
■勘違いしやすい日本語3.複雑骨折
■勘違いしやすい日本語4.話が煮詰まる
■勘違いしやすい日本語3.複雑骨折
「骨が複雑に折れて、粉々になったり潰れたりした状態」という意味で、「複雑骨折」という言葉を用いている人が意外にも多い。実は複雑に骨が折れているから複雑骨折ではなく、以下のような意味合いを持つ。
「骨が折れるとともに周囲の軟部組織が損傷され、皮膚に傷口が開いた状態の骨折」
つまり、複雑に骨折している様子を表すのではなく、骨が折れて皮膚を突き破っている状態を指している。
どちらの状態も痛々しい様子には変わりないが、まったく異なる意味合いを持つため注意が必要だ。
■勘違いしやすい日本語4.話が煮詰まる
「話が煮詰まる」という言葉は、「議論や考えなどが出つくして結論を出す段階になる」というポジティブな意味合いを持っている。
しかし、どちらかといえばネガティブな状況に対して使われる傾向にある。この使い方でもあながち間違いではないのだが、本来の意味合いとは少し異なるため注意しよう。
というのも、実は『広辞苑 第5版』と『広辞苑 第6版』では以下のように改正されている。
【広辞苑 第5版(平成10年 岩波書店)】
[1]煮えて水分がなくなる。
[2]転じて,議論や考えなどが出つくして結論を出す段階になる。「交渉が-・る」
【広辞苑 第6版(平成20年 岩波書店)】
[1]煮えて水分がなくなる。
[2]議論や考えなどが出つくして結論を出す段階になる。「ようやく交渉が-・ってきた」
[3]転じて,議論や考えなどがこれ以上発展せず,行きづまる。「頭が-・ってアイデアが浮かばない」
このように「広辞苑 第6版」からは、誤用されがちな悪い意味合いも含まれているため、ネガティブイメージで使用してもあながち間違いではないのだ。
とはいえ、本来は良い意味合いとして使用する言葉であることを覚えておこう。