釣り場

基本的には、遡上期だからといって大きくポイントが変わることはない。ただ決定的に違うことが1つあり、この時期はエサとなる稚アユに合わせたポイント選択が必要となる。

稚アユは水流を好む。ただそれは体長に合った最適な水流でなくてはならない。サイズにもよるが、それは毎秒50cm前後の水流であると考えられている。最適な水流が稚アユを見つける手掛かりとなり、ひいては上りマダカのポイントを知る上で1つの判断材料となる。

【2022年】上りマダカ釣り入門 釣り場・タックル・エサ・釣り方を解説
流れが複雑に変化する沈所周り(提供:週刊つりニュース中部版 桑山卓久)(画像=『TSURINEWS』より 引用)

例えば、沖の緩やかなカケアガリや岸際などが一般的なポイントに挙げられる。ただ岸際に関しては釣り人から近いことや最適な水流を考慮し、降雨による水量が多いときがベストだ。

また稚アユのエサとなる藍藻類や珪藻類が付着する石周りも狙いめだ。そういった障害物周りは稚アユばかりではなく、水流の変化により他の小魚も集まる。これらを踏まえることで、必然的にマダカのポイントは定まってくる。

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稚アユのエサが多い石周りも狙いめ(提供:週刊つりニュース中部版 桑山卓久)(画像=『TSURINEWS』より 引用)

それから木曽三川における稚アユの遡上は、どの河川もほぼ同じ動きと考えていい。ただ河川によって水源までの距離、支流の数、ダムや堰の数も違う。また各河川の山側における積雪量にも違いがある。そういった理由から、雪代の流れ込むタイミングは変わる。

そのため先ほども述べたが、毎年その河川の雪代の入り方を見極める必要がある。ただ4月以降になると、どの河川も国道1号線周辺から上流が面白くなる。もちろん河口付近でも釣れるが、日を追うごとにどんどん上流側が良くなる。これはマダカが稚アユを追って常に上流を意識しているからだ。

タックル

マダカ狙いのタックルについて紹介しよう。

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タックル図(作図:週刊つりニュース中部版 桑山卓久)(画像=『TSURINEWS』より 引用)

サオ

一般的には、投げザオ4.2m前後(オモリ30号前後負荷)のものを使う。ここ木曽三川では、他の地域に比べて長尺物の仕掛けを使用する。そのためサオの振り込みを考慮し、4.2m前後を選択したい。

また川筋による流れの強さから、オモリ負荷が乗せられるものが必要となる。それに加えてサオ先に粘りがあればなお良い。

またサオの弾力をいかしてふわりと投げ込みたい人は、イシダイザオや遠投用の磯ザオ(5.4m、オモリ負荷5号以上)を使用してもいい。

リール

大型のスピニング(ナイロンラインで5号前後200m、PEラインならば2号前後200m)を選択したい。大型のリールを使用することで、岸際の障害物(テトラや沈所)をかわしやすく、根掛かりや魚の取り込みの際のトラブル防止につながる。

イト

ミチイトの材質は、一般的にはナイロンラインで十分だ。ナイロンラインはPEラインに比べてクッション性能があり、置きザオでの向こうアワセの釣りにもってこい。またイトさばきが良く扱いやすい。

ただ熟練者には、PEラインもお勧めだ。PEラインはナイロンに比べて比重が軽く低伸度だ。またナイロンの同じ号数に比べても直線強度に優れ、細いラインが使用できる。そのため遠投性能に優れ、この時期特有の小さなアタリも取りやすい。また底質や地形の変化もサオ先に感じやすく、ポイントの形状把握にも一役買う。

しかし比重の軽い細いラインは、春先の風が強い日にはイトさばきが悪く扱いが難しいといった欠点もある。また、根ズレの観点からテーパーラインが必要だ。お互い一長一短あるが、自身の経験値や釣り場のシーンによって選択しよう。

オモリ

オモリはスパイク型や関門型を使用する。これは、仕掛けが流されることを少しでも防ぐためだ。それから、なるべくミチイトと仕掛けが絡むことを防ぐため、テンビンを使用する。ハリスは最低でも3号以上を使う。

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少しでも流されない工夫が必要だ(提供:週刊つりニュース中部版 桑山卓久)(画像=『TSURINEWS』より 引用)

ハリ

ハリのサイズは春先の低水温による食いの浅さやエサの房掛けを考慮し、15号以上の大型のものを使用する。また釣り場に近い店舗では、木曽三川専用仕掛けも販売されておりお勧めだ。