目次
NISAの概要
NISAとつみたてNISAの違い
 ・1. 非課税投資枠
 ・2. 利用可能期間
 ・3. 投資方法
 ・4. ロールオーバーの可否

NISAの概要

投資では利益(配当・譲渡益など)に対して、一般的に約20%の税金がかかります。NISAでは、金融機関で「NISA口座」を開設したうえで、一定金額内で購入した金融商品から得られる利益が非課税になります。

仮に保有していた株式を売却した際に10万円の利益が出た場合、通常は約2万円が税金としてかかります。しかしNISAでは、10万円がそのまま利益になるということです。

NISAでは、NISA口座で年間120万円分までの金融商品を購入できます。非課税の制度は永遠に続くわけではなく、購入できる期間は決まっています。購入した年から最長5年間非課税になります(2023年に購入した場合、2027年まで非課税)。

日本に住んでいて、20歳以上であればだれでも利用できるうえ、運用した資金はいつでも引き出すことが可能です。

利用できる人・日本在住
・20歳以上(口座を開設する年の1月1日時点)
対象の金融商品株式投資信託、国内上場株式、海外上場株式、国内ETF、海外ETF、上場投資証券(ETN)、国内REIT(J-REIT)、海外REIT、新株予約権付社債(ワラント債)
利用できる金融機関のNISA口座1人1口座(1年単位で変更可能)
非課税投資枠毎年、新規投資額で120万円まで購入可能
非課税期間最長5年間(後述するロールオーバーあり)
投資可能期間2014年~2028年※

*2024年新制度により5年延長

NISAとつみたてNISAの違い

NISAには現在3つの種類があります。2014年からスタートしたNISAに対し、2018年からスタートしたのが「つみたてNISA」です。投資初心者や若年層など、幅広い年代に向けて作られた制度です。3つめは2016年にスタートした0〜19歳の人が利用できる「ジュニアNISA」があります。この記事では主に「NISA」「つみたてNISA」を扱います。

利用できる人・日本在住
・20歳以上(口座を開設する年の1月1日時点)
対象の金融商品条件をクリアした投資信託
利用できる金融機関のつみたてNISA口座1人1口座(1年単位で変更可能)
非課税投資枠毎年、新規投資額で40万円まで購入可能
非課税期間最長20年間(ロールオーバーなし)
投資可能期間2018年~2042年※

*2024年新制度により5年延長

従来のNISAとは異なり、低水準な手数料など、金融庁が定めた条件をクリアした、長期・積立・分散投資に適した商品のみが対象となります。そして「毎月積立」「毎週積立」「毎日積立」など、一定の金額を積み立てていくような投資にのみ適用される制度です。NISAとつみたてNISAとの違いは主に以下のような点が挙げられるので、ぜひ選ぶ際の参考にしてみてください。

1. 非課税投資枠

NISAの年間の非課税投資枠は120万円なのに対し、つみたてNISAは40万円と少額です。しかし、利用可能期間中の非課税投資枠をトータルで見ると、NISAが600万円、つみたてNISAが800万円と、つみたてNISAの方が枠が大きいです。

2. 利用可能期間

非課税で投資できる期間も大きく違い、NISAは5年間、つみたてNISAは20年間となっています。利用可能期間と非課税投資枠から、NISAは「高額で短期的な投資」、つみたてNISAは「少額で長期的な投資」といえるでしょう。

3. 投資方法

NISAは株式や投資信託など幅広い商品の中から自分に合った投資方法を選べるのに対し、つみたてNISAで選べる投資方法は、定期的に一定の金額を積み立てていく投資信託・ETF(上場投資信託)のみとなります。

4. ロールオーバーの可否

ロールオーバーとは、NISAでの5年間の非課税期間が終了した後でも、金融商品を翌年のNISAの非課税投資枠へ移すことにより、さらに5年間非課税の期間を延長できることです。つまり、最大10年まで非課税期間を延ばせることになります。

それに対して、つみたてNISAでは今のところロールオーバーはできないこととなっています。ただし、2037年に購入した投資商品の非課税期間は2056年までと、いずれにせよ長期運用には適している制度といえるでしょう。

これらの特徴をまとめると、NISAは「短期的にアクティブな投資をしたい」と考える投資に慣れた人に向いていて、つみたてNISAは「リスクを減らして長期的にコツコツ貯めていきたい」という投資初心者に向いているといえます。

ちなみに、NISAとつみたてNISAは併用することができず、切り替えも年1回と決まっています。じっくり考えて自分に合った方を選んでみてください。