「超低金利時代」といわれる昨今、ただ預貯金をしているだけでは足りないと、資産運用に関心を持つ人は増えています。資産運用方法として話題にのぼる「NISA(ニーサ)」という言葉、耳にしたことがないという人はほとんどいないのではないでしょうか? しかし仕組みをきちんと理解している人は、まだ始めていない人の中には多くないかもしれません。今回は、NISAの仕組みから、2018年に登場した「つみたてNISA」との違い、さらに2024年の制度変更で何が変わるのかまでを解説します。

目次
NISAとは
NISA導入のきっかけ

NISAとは

NISAとは、2014年から始まった個人投資家のための投資優遇制度のこと。イギリスの個人貯蓄口座「Individual Savings Account=個人貯蓄口座」をモデルにしていることから、日本版のNipponのNを頭文字に追加した「NISA」という愛称がつけられました。

NISA導入のきっかけ

日本では、1960年代後半から金融資産をまったく持たない世帯(二人以上)の割合は6%前後で推移していました。しかしバブル崩壊後、2000年後半から資産のない世帯が年々増加し、2013年には、30%を超える世帯が預貯金や株・投資信託・保険などの金融資産をまったく保有していない状態となりました。

NISAとは? 仕組みからつみたてNISAとの違いを徹底解説
(画像=金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」よりRENOSY作成、『RENOSYマガジン』より引用)

この状況を変えるために、将来に向けた資産作りを促進させるNISAが導入されました。そしてNISA導入の目的には、もうひとつ、経済を活性化させる狙いもあります。

資産のほぼ半数を貯蓄に回し資産が家庭内にとどまっている状態から、投資に資産が流れると、企業へ資金供給されることになり経済が回るようになります。それにともなって、家計も潤いさらに各家庭から次の投資へ、という好循環も目的の一つとされています。