目次
ブラック企業の問題点【給与面】
ブラック企業の問題点【健康面】
ブラック企業の問題点【給与面】

続いては、ブラック企業の給与面における問題です。
給与は働く上で非常に重要なもの。
働くからには仕事内容に見合ったお給料をもらいたいと思うのはごく自然なことです。
給与面においてブラック企業ではどのような問題点があるのか、代表的なものを3つ挙げておきましょう。
1.昇給がほぼない
会社員を続けていれば、年々勤続年数が増えるごとに給与がUPしていくのは普通のことです。
この昇給幅に関しては、細かなルールが定められていないこともあり、会社が独自のルールに基づいて従業員の給与を上げていきます。
しかし、ブラック企業ではこの「昇給額」が非常に少ない点が問題視されています。
仮に年々5,000円ずつ昇給したとします。
この場合、基本給が5,000円上がるため、年間で計算すると、5,000円×12ヶ月で60,000円の年収UPになります。(ボーナス含まず)
ユーくん どうなんだろう。それって良いのかな?
確かに年間6万円UPすれば「確実に昇給している」とは言えますが、その額はそれほど大きくないと感じる人も多いでしょう。
しかし、ブラック企業の中には、年間の昇給額が「1,000円や2,000円」という例もざらにあります。
明確に線引きすることはできませんが、昇給額が3000円に満たない場合は、「低い」と言わざるを得ません。
長く勤めていても、昇給額が少ないのであれば大きなメリットは何も見出せないでしょう。
2.基本給が低い
就職活動の際に求人票に「月給28万円から」などと書かれていたのに関わらず、全くその金額に及ばない低い給料でスタートしたと言うケースは珍しくありません。
ブラック企業の場合、求人情報に掲載している月給の額面には、
- インセンティブ
- 資格手当や家族手当などの各種手当
が概算で含まれていることが多いのです。
つまり、本当は月給(基本給)22万円でも、場合によっては手当やインセンティブで6万円ほどつく可能性がゼロではない、となれば28万円と記載しているわけです。
ダルマちゃん 実際書かれていた給与より低い給与からのスタートだった、と言う話はかなり多いからね。ブラック企業は言葉巧みに給与を高く見せようとしてくるんだよ。
ブラック企業は特に基本給が安い点も問題視されています。
なぜ基本給を安く設定しているのか、そこにも理由があります。
最大の目的は「賞与額を低くするため」です。
ユーくん え!基本給が安いければボーナスまで安くなるってこと?あ、基本給をベースに計算されるからか〜!これは悪質だな‥。
賞与は「基本給×2倍」などで計算されます。
基本給20万円の社員が、各種手当やインセンティブで毎月30万円の給料をもらっていようと、賞与の計算時には基本給の20万円がベースになります。
つまり、頑張ってインセンティブで稼いでも、賞与の金額にはその努力がなかなか反映されない仕組みになっているのです。
3.残業代が支払われない
ブラック企業においては残業に関わる問題点がよく注目されていますが、中でも「残業代未払い」は深刻な問題となっています。
どれだけ残業を強いられても、「それだけ収入がアップする」のであれば、まだ気持ちは楽になるでしょう。
しかし、残業をいくらしても残業代が一切支払われない、という場合には疲労だけが積み重なってしまいます。
▼残業代未払いの問題があると回答した人の内訳
ブラック企業に勤務している人 | ブラック企業ではない企業に勤務している人 |
53.8% | 31.6% |
参考:連合総研 第38回『勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート(勤労者短観)』
上記のデータは、勤め先の会社で残業代未払いの問題があると認めている人の内訳を示したものです。
残業代未払いを認識している人のうち、半数を超える53.8%がブラック企業に勤務していることが分かります。
ダルマちゃん 残業自体を認めていない、残業を会社は強要していないという言い分で、残業代を全く支払わないブラック企業はたくさんあるんだよ。
ブラック企業の問題点【健康面】

最後は健康面についてです。
ブラック企業で毎日長時間労働を繰り返し、さらにパワハラをはじめとする嫌がらせを目の当たりにしていれば、当然体力的にも精神的にも参ってしまうでしょう。
1.過労で倒れる
ブラック企業で働く人の中には、過労で倒れるなど体調不良を起こしてしまう人が多くいます。
以下のデータは、ブラック企業勤務の人たちと、ブラックでない企業に勤める人たちを比較したものです。
▼長時間労働で体調を崩した経験についての調査
勤め先はブラック企業であると認識している | 33.6% |
勤め先はブラック企業ではないと認識している | 11.1% |
参考:連合総研 第38回『勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート(勤労者短観)』
このデータは、正社員を対象に調査したもの。
正社員でブラック企業に勤める人のうち33.6%が体調を崩した経験があると回答していますが、ブラック以外の企業の場合、その割合は11.1%とかなり低いです。
ブラック企業では労働時間が長い上、労働環境も劣悪であるケースが多いため、体調を壊すリスクはより高くなっていることが分かります。
2.うつ病を発症する
健康被害は体を壊すことだけでなく、精神面にも起こります。
ブラック企業で精神的にも体力的にも追い込まれた結果、うつ病を発症してしまうケースはかなり多いです。
うつ病は発症するまで自覚症状がはっきりせず、
- 疲れが取れない
- 仕事に集中できない
- 眠れない
- 食欲不振
などの症状をうっかり「疲れているだけだろう」と見過ごしてしまいがち。
いよいよ調子が悪くどうしようもなくなり病院に行くと「うつ病」と診断された、というケースは、ブラック企業に勤務する人に特に多く見られます。
3.体調不良でも休めない
ブラック企業では、会社に迷惑がかかるからという理由で「体調不良でも仕事を休みづらい」と感じている人が多くいます。
そのため、きちんと休養を取れば改善されるような症状であっても、休養が取れないために悪化し、長引いてしまうことが多いです。
ダルマちゃん ブラック企業で働いていると、会社のために自分を犠牲にしなきゃいけないというマインドが染み付いてしまうんだよ。
ユーくん なるほどね‥。だからなかなか休もうと思うことさえせずに無理するのが当たり前になってるんだね。
人間誰しも体力的な限界はあります。
限界を超えて働き続ければ、普段健康に自信がある人でさえ体調を壊すのは当たり前。
ブラック企業が社員の健康について配慮することはなく、働ける限りは働かせる、という考え方で従業員を捨て駒のようにこき使うのです。