オカルトチューンとは、本当に効果があるのかわからないようなチューニングのことを指す言葉です。ですが、理屈が理解できないから、効果を体感できないからオカルトチューンだと決めつけるのは少し乱暴です。数値で効果を表そうとしても、計測精度が低いという問題だってあります。そんな、オカルトチューンと呼ばれているようなものをいくつか紹介していきます。
Chapter
オーディオ業界では常識!?チューニングヒューズ
トヨタ開発の最新空力パーツ!エアロスタビライジングフィン
プレミアムガソリンの高濃度版?ガソリン添加剤
バッテリーに直接アースを接続するアーシング
ボディとサブフレームをしっかり締結!リジッドカラー
人もクルマも本来の性能を引き出すSEV
オーディオ業界では常識!?チューニングヒューズ
ヒューズは、定格以上の大電流が流れた場合に熱で溶け切れて、回路や電気・電子備品を守る部品です。溶断する金属部分には鉛・スズ・アンチモンなどが使われます。配線やコネクター・カプラー・ヒューズなどの接続部は放電や抵抗、ノイズ侵入があるものです。オーディオに詳しい方なら当然と思うでしょう。
チューニングヒューズはこうした“悪玉”を極力なくして、電気をスムーズに流してやろうというものです。なので金属部分に白金系のコーティングを施したりと、純正品よりもお金をかけています。
少しアプローチが違うのは、-196℃の液体窒素で凍らせるという特殊な方法を取っている「ICE FUSE(アイスヒューズ)」です。これは金属の原子の並びを整頓させる方法で電気の流れをスムーズにしています。
いずれもオーディオの音が良くなった、インジケーターランプが明るくなった、エンジンがスムーズになったなど好評価が多いようです。それもそのはず、理屈では悪くなる理由がないのです。ただし、ヒューズボックスや配線が劣化していれば、チューニングヒューズの効果も薄れてしまいますので、接触部の清掃は必須です。
チューニングヒューズの価格は、通販なら1個1600円ぐらいからで、1台分(約30個)だと数万円になります。純正ヒューズは1個100円内外。この価格差をどう思うかでしょう。純正ヒューズも経年劣化はします。どうせ交換するなら…どうでしょうか。
トヨタ開発の最新空力パーツ!エアロスタビライジングフィン
エアロスタビライジングフィンはトヨタの商品名で、F1での経験から生まれた空力改善パーツです。最新のエアロダイナミクスパーツで、ヴォクシーやハイエースなどにも標準装備されています。パーツは10センチに満たない小さなフィンで、その名の通りクルマの安定性と操舵時の応答性、静粛性(風切り音)や燃費に効果があります。
空気がフィンに当たると、縦に回る小さな渦が車体に沿って発生し、この小さな渦でボディ表面付近に流れる乱れた空気をコントロール。空気抵抗を減らす仕組みになっています。制御された空気がボディを包み、クルマが安定するというわけです。水泳競技用水着や船舶の表面も、こうした小さな渦の効果で水の流れをコントロールしています。
フィンの形状は海中を130km/hで泳ぐカジキがヒントになっています。カジキの胴幅÷体長の比率=0.14を元に設計されています。取り付ける場所は気速の高い部分が効果的なので、ドアミラー・リアピラー・テールランプ側面・フロアアンダーカバーなどです。標準装備車のテールランプはフィンが一体成型されています。
後付けアクセサリーの場合は、両面テープで取り付けます。社外品も多くあり、トヨタのように解析や風洞実験されているとは限りませんが、他社のクルマでも同じような位置に取り付けます。実走してハンドリングや高速安定性がはっきり体感できなくても悪さはしないはずです。風切り音が減った、消えた場合は成功といえるでしょう。
トヨタはこの他にもアルミテープを貼るだけで静電気を除去して空気抵抗を低減させる技術で特許を取ったりと、小さなチューンに大真面目に取り組んでいて、クルマ好きとしては本当に楽しいですね。