岸田政権にボディブローとなる林外相批判

ことの発端は15日、外相がロシアのレシェトニコフ経済発展相とオンラインで会合を行ったことです。「林大臣が、日本とロシアの経済分野での協力が両国の平和条約の交渉も含めた関係の発展につながるよう、対話の継続を呼びかけた」(NHK)とあります。経済協力を含めた両国関係発展のため、お互い頑張りましょう、というわけです。これに対して国内保守派から厳しい声が沸き上がり、高市政調会長は「G7の結束を乱そうとするロシアを利することになる。大変強い懸念」と厳しい批判を行いました。

岸田政権にボディブローとなる林外相批判
(画像=林芳正外相 Oleksii Liskonih/iStock、『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

その頃、岸田首相はプーチン大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領と相次いで電話会談をしています。なぜ首相は急いだのか、といえばG7緊急会合があるからでG7の中でウクライナ問題で日本は積極的に関与していないと思われているので「僕も頑張っています」というパフォーマンスが必要でした。ただ、欧米のスタンスは極めて論理的かつ戦略的です。「今、西側諸国はロシアに厳しい経済制裁を加えようとしている中でオタクの外務大臣はロシアと経済協力をまい進させる二枚舌外交かね?」というわけです。

日本の外交姿勢は「敵を作らない」とされます。唯一の例外が韓国で、中国は嫌だけどデカい国だから波風を立てないようにしています。では、全天候型外交は威力があるのか、といえば私はない、と考えています。例えば安倍元首相がトルコのエルドアン大統領と再三会談し、原発受注と共に政治的な「第三国介在役」を買って出ようとしました。結局、原発はコストが合わず断念、第三者介在役も思惑外れでした。今、ロシアはウクライナの領土を取ろうとしているのに「平和条約結んで北方領土返してね」という全天候型が正しいのか、小学生でもこの答えは分かると思いますがね。