目次
<5. 安井金比羅宮は夫婦やカップルで訪れても大丈夫?>
<6. 安井金比羅宮の見どころ>
<5. 安井金比羅宮は夫婦やカップルで訪れても大丈夫?>

安井金比羅宮は夫婦やカップルで訪れると別れてしまうのではないかと心配する方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。
縁切りというのは悪縁を切り、良縁を結ぶという意味です。
そして、悪縁というのは「幸せの妨げになるものすべて」です。
それも人間関係だけとは限りません。例えば「浮気心」や「嫉妬心」「独占欲」なども相手との幸せを妨げるものになりますよね。
また前の恋人への「未練」や過去への「執着」などもそうかもしれません。
もし自分の中のそういう気持ちがあるのなら、そんな気持ちを断つと考え、安井金比羅宮に二人でお参りしてはいかがでしょうか。
安井金比羅宮の神様が二人をより幸せにしてくれるかもしれません。実際、カップルや夫婦で訪れる方も多いそうですよ。
<6. 安井金比羅宮の見どころ>

安井金比羅宮は決して大きな神社ではありませんが、多くの見どころがあります。
あますことなくお伝えしていきますね。
6.1 手水

東大路通り沿いの鳥居から境内に入ると、手水があります。清明と刻まれた大きな石に清らかな水が流れています。
参拝の前にまずこちらで口や手を清めましょう。
6.2 遥拝所

本殿のすぐ裏にある遥拝所。
遥拝というのは、辞書によると「遠く離れた所から神仏などをはるかに拝むこと」とあります。
この遥拝所は香川県の方向を向いていて、ここから手をあわせると、香川県にある金比羅宮を拝むことになります。

遥拝所の天上を見ると、方位をしめす方位磁石のようなものに「象頭山」と書いてあります。
象頭山というのは香川県の金刀比羅宮がある山のことです。
つまり、「象頭山はこちらですよ」と書いてあるのです。
遥拝所から香川県の金刀比羅宮を遥拝したら、こちらの文字も確認してみてくださいね。
6.3 金比羅絵馬館(閉鎖中)

神社に行くと必ず目にする絵馬。願い事を書いて奉納するのがならわしですが、どうしてこの絵馬が誕生したのでしょうか。
実は日本では昔から、神様は馬に乗って降臨されると信じられてきました。
それで祈願や神事のときには、昔は生きている馬を神様にお捧げしていたのです。
それが、時を経るごとに、土で作った馬になり、木馬になり、やがて、板に馬の絵を描いて奉納するようになりました。これが絵馬の由来です。
安井金比羅宮には絵馬堂があり、昔から数々の絵馬が奉納されています。江戸時代後期のものが多いようです。
誰が描いたものかといえば、名前もわからない作家のものがほとんどだそうですが、それでも絵馬堂にて大切に保管されてきたそうです。
昭和51年、絵馬堂は、歴史ある佇まいをできるだけそのままに金比羅絵馬館として改築されました。
そして、参拝者が絵馬の歴史を身近に感じられる絵馬の美術館になりました。ただし、残念ながら、建物の老朽化のため金比羅絵馬館は現在閉鎖中で再開時期は未定です。

このように安井金比羅宮は絵馬と深いつながりのある神社で、鳥居から絵馬堂へと続く道は「絵馬の道」と呼ばれています。

また、落語家をはじめとする関西の有名人が書いた絵馬がこうして境内に飾られていています。こちらは鑑賞可能です。
6.4 金比羅会館

取材時、金比羅会館には桂米朝さんの提灯が掲げてありました。
神社の方に聞いたところによると、安井金比羅宮で2ヶ月に1度、桂米朝一門の落語家による落語研究会が行なわれているそうです。
たまたまこの日は落語会の日で提灯を出していたということです。
ちなみにこの落語会は昭和41年からなんと50年以上も続く歴史ある落語研究会です。
おすすめの演目は、ご祭神である崇徳天皇の御歌を題材にした上方落語の演目「崇徳院」です。
偶数月の上旬に行われているそうなので、興味のある方は桂米朝さんの事務所のHPを参考にしてください。
6.5 拝殿

拝殿から本殿まで少し距離があります。拝殿でお賽銭を入れて鈴を鳴らしたら、そのまま本殿まで進んでください。
6.6 本殿

本殿には中央に崇徳天皇、右側に大物主神、左側に源頼政が祀られています。

こちらの本殿がめずらしいのは、本殿の真裏に扉があることです。
ここには階段もなく、開けるお祭りもないのになぜ扉があるのか謎だそうです。
そして、ここからお参りしてもいいそうです。
ここは神様に一番近い場所と言われているので、もし縁切り縁結びの碑にたくさん人が並んでいたら、ここからお参りしてもいいかもしれませんね。
ちなみに、縁切り縁結びの碑だけにお参りして帰る人もいるそうですが、本殿に神様がいらっしゃるので、本殿へのお参りも忘れずにしてください。
6.7 三玉稲荷社

こちらは三玉稲荷社。安井金比羅宮の末社です。
末社というのは本社に付属する小さな神社のことをいいます。
6.8 厳嶋社
厳島社という末社もあります。
ご祭神は市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)。水の神様と言われている女神様です。
6.9 安井天満宮

こちらは安井天満宮。「洛陽天満宮二十五社順拝所」のなかの一社です。江戸時代中後期に選定されました。
「洛陽天満宮二十五社順拝所」とは、洛中にある菅原道真を祀る天満宮の二十五社を順にまわる風習です。
取材時、神職の方が「江戸時代って最近ですからね。そう古い話ではないです」と言われ、「さすが京都の方の感覚だなぁ」と感じました。

こちらの狛犬は江戸時代からのものです。
石でできた狛犬としては京都市内で一番古い狛犬だそうです。
北野天満宮からの梅の献木もありました。お社を修理した時にいただいた紅梅と白梅だそうです。
6.10 久志塚(櫛塚)

こちらは久志塚(櫛塚)です。
安井金比羅宮では毎年9月第4月曜日に櫛祭りが行われます。
9月の第4で「クシ」また、月曜日が美容院の定休日であることから毎年この日に行われているのだそうです。

古墳時代や江戸時代の髪型をした女性が、その時代の装束を身につけ参列する華やかなお祭りです。
おどろくべきことにカツラではなく地毛だそうです。
お祭りでは、使わなくなった櫛が全国から集められます。その櫛にお祓いをし、感謝の念を捧げ、美容業界の繁栄や女性の活躍を祈念されます。
櫛塚の横に立っている像は吉川観方という民族学者で、この吉川観方が古い装束などを集めて櫛祭りを始めたそうです。
6.11 八大力尊社

八体の像が祀られているのが八大力尊社。
実はここに八体の像があるのは深いわけがあります。
明治時代以前、神仏習合が許されていた時代、つまり、お寺の中に神社があったり、神社の中にお寺があったりした時代、安井金比羅宮は蓮華光院という真言宗のお寺だったそうです。
そして、そのお寺の中に崇徳天皇を祀るお社があったそうです。
しかし、明治時代に神仏分離政策が進められるにしたがって、蓮華光院のお堂や仏像などは、嵯峨の大覚寺へ移されたのだそうです。
八大力尊社はスキルアップや基礎力の神様と言われています。逆境にたえる力を授けてくださる神様でもあります。
何かに地道に取り組みたいという方の力になってくださりそうですね。