なぜ三浦大根の生産量は激減してしまったのか

昭和53年の台風20号により、三浦大根は壊滅的被害を被りました。

三浦大根は、育つのに時間がかかるのが難点です。じっくり時間をかけて栄養を蓄えていくのです。

台風によってその年の三浦大根が全滅してしまい、収入の目途がたたなくなったため、苦肉の策として、青首大根の栽培に切り替えました。

青首大根は早く育ち、軽くて収獲しやすいので、農家側も楽です。そしてその年をどうにか凌ぎ、その年以降、青首大根の栽培に移行していきました。

三浦大根を作り続けている人たち

青首大根の方が三浦大根よりも、早く簡単に育てられます。そうであれば青首大根の栽培にすべて移行しても良さそうなものですが、三浦大根は今も少ないながらも作られ続けています(全体の1%)。

なぜでしょうか?

それは三浦大根がとても美味しいからです。

今回私は初めて三浦大根を食べました。そうしたら想像を超える美味しさでした。

旨味がすごいんです。柔らかく、芳醇な香りとコクが口いっぱいに広がります。「これが本当の大根というものなのか!」感動すら覚えました。

大根は料理の主人公にはなれない(大根さんごめんなさい)と思っていましたが、三浦大根は主人公になれます。

三浦大根を今も作り続けている伊藤農園の伊藤さんです。400年続く専業農家です。

【神奈川県三浦市】三浦大根と青首大根の違いってなに?どうして激減したの?
(画像=『たびこふれ』より引用)

伊藤さんは、農業の傍ら、三浦の野菜をより多くの人たちに伝える活動にも積極的に取り組んでおられます。

【神奈川県三浦市】三浦大根と青首大根の違いってなに?どうして激減したの?
(画像=『たびこふれ』より引用)

子供たちの教育の一環として、農業体験、収獲体験なども受け入れておられます。

【神奈川県三浦市】三浦大根と青首大根の違いってなに?どうして激減したの?
(画像=『たびこふれ』より引用)

今回私も三浦大根を引っこ抜きました。想像以上に重労働です。下ぶくれの三浦大根は大きく重く、簡単には抜けません。膝を使って重心深く体を沈め、体全体でゆっくり持ち上げるようにひっこ抜きます。腰を痛めないように注意が必要です。

自分で抜いた大根は、両腕で抱えて帰りました。帰りの電車、重かった~。(電車内ではかなり奇異な目で見られました笑)

【神奈川県三浦市】三浦大根と青首大根の違いってなに?どうして激減したの?
(画像=『たびこふれ』より引用)

伊藤さんのお家の前では、採れたての新鮮野菜が売られています。こういう直売所が自宅の近くにあったら最高ですね。

【神奈川県三浦市】三浦大根と青首大根の違いってなに?どうして激減したの?
(画像=『たびこふれ』より引用)

うずまきビーツ。蕪に似ていますが、ほうれん草の仲間だそうです。私たちの知らない野菜ってまだまだあるんですね~。