不動産投資を始めようと思っても、何をすべきか分からない方も多いのではないでしょうか。本記事では不動産投資の始め方を具体的な5つの手順(不動産投資の前提理解、物件探しのポイント、購入手続きの流れ、物件の管理)に分けて解説します。

目次
不動産投資の始め方とは
 ・1.投資対象の不動産物件を所有する
 ・2.不動産物件を賃貸に出す
不動産投資を始める前に必要なこと
 ・1.投資目標をたてる
 ・2.ほかの投資商品と比べる
 ・3.何歳から家賃収入を得たいか計画する
 ・4.不動産投資の費用を把握する
 ・家賃と費用の具体例

不動産投資の始め方とは

1.投資対象の不動産物件を所有する

不動産投資の第一歩は不動産の購入です。

不動産投資で収入を得る方法は2通りあります。不動産を買った時よりも高く売ってキャピタルゲインを得るという方法と、家賃収入のインカムゲインを得ていくという方法です。

現在は基本的には後者の方法を狙う傾向です。なぜなら、バブル時代のときのような不動産価格高騰の状況にはなく、短期間で不動産を手放しキャピタルゲインを得るよりも、長期にわたって不動産を所有しインカムゲインを得ることに主眼を置くことになるからです。

2.不動産物件を賃貸に出す

不動産を取得したら、その不動産を賃貸に出して収入を得る流れになります。例えば新築の物件の場合は、物件を購入し、それを賃貸業者に委託して入居者を探すという流れになります。中古の場合は、多くの場合は入居者がいる状態で不動産を購入することとなります。

不動産の価格は遠い未来の予測はつきにくく、将来下がることも考えられます。しかし、仮に不動産の価格が下がったとしても、家賃収入はそれに伴った比率で下がることはまずありません。

例えば家賃8万円で貸し出している2,000万円の物件価格が2割下がって1,600万円になったとしても、家賃も2割下がって6.4万円になる可能性は少ないのが現状です。

不動産投資を始める前に必要なこと

1.投資目標をたてる

投資の目的は資産を増やすことですから、他の投資と同様に不動産投資を始める前に「なんのために(目的)、いつまでに(期限)、いくら必要なのか(ゴール)」をあらかじめ決めておくことが大切になります。

2.ほかの投資商品と比べる

不動産投資を他の金融商品と比較し、それが自分にとって最適であるかどうかを考えましょう。

他の金融商品には、定期預金、国内債券、外国債券、投資信託、国内株式、外国株式、FX等があります。

株、FXは時に大きな収益を生むことができます。しかし、誰もが安定した収益を生み続けることができるかというと、そうではありません。一般的にはハイリスク、ハイリターンの投資で専門的な知識も要します。

定期預金、国債はリスクは低いのですが、リターンも少なく金利は0.002%(メガバンク)から0.2%程度(地方銀行など)です。100万円を投資して20円、多くても1年で2,000円のリターンにしかならないということです(税引前)。

不動産の場合は、比較的安定した価格で家賃収入を得られるので、収益の予測が立てやすいのが特徴です。現物資産のため、物価が上昇し貨幣の価値が下がっても物件の価値は上昇するといわれていて、物価変動に強いという側面があります。

家賃収入を得る(インカムゲイン)ために不動産を所有するという目的で始める場合、長期にわたって運用する投資となります。長期間のトータルでどのくらいのリターンになるかを把握することが大切です。

3.何歳から家賃収入を得たいか計画する

不動産という高額の投資を行うので現金で購入する人は少なく、主に金融機関から借入をしてローンを組みます。

ローンを利用するので、手元にある自分のお金をあまり使わずに、数千万単位の不動産が手に入るというのが不動産投資の特徴の1つでもあります。金融機関はサラリーマンという信用と物件を評価して、貸し出しをします。

ローンを完済するまでの間は、家賃収入はローンの返済にあてられます。そのため、完済時期を何歳ごろに設定するか、ローンを完済し家賃が丸ごと収入にできる年はいつなのかを、考えておく必要があります。

完済後の家賃収入額の予想をたてると、不動産投資を始めるべき時期が見えてきます。

4.不動産投資の費用を把握する

不動産購入後も、月々かかってくる費用があります。不動産の中でもマンション投資をした場合に定期的に必要となるのは管理費と修繕積立金です。

この2つの費用は、そのマンション各戸の所有者全員が徴収され、日々のマンションの管理や将来のマンションの修繕などに使われます。

また、長期にわたる運用期間中には給湯器やエアコンなどの設備が壊れることもあります。入居者の募集をする際に広告費がかかる場合もあります。

不動産投資では、収入以外に支出もあるということを把握することで、より正確なリターンのシミュレーションが可能となります。

家賃と費用の具体例

例えば1,800万円の物件に対して銀行から1,500万円借りて(30年ローン、金利2%)購入し、7万5千円の家賃があるとします。単純に計算すると利回りは5%になります(表面利回り)。

そこから費用(仮に修繕積立金6千円、マンション管理費4千円とします)合計1万円を差し引くと、6万5千円の家賃収入が手元に残ります。年間収入は780,000円なので必要経費を差し引いたあとの利回りは4.33%になります(実質利回り)。

月々のローンの支払いは約5万5千円ですので、手取りの収入は月に約1万円、年に12万円ということになります。年間収入12万円に対する利回りは0.67%となります。ローン返済中の利回り、ローン返済後の利回りを把握すると、できるだけ早い時期に繰上返済しようという行動に移せるかもしれません。