職業別の平均年収

属性だけでなく、業種や職種によっても平均年収は異なります。業種と企業規模で見たときの平均年収を解説します。
「業種別」
業種によって給与水準は大きく異なります。20代男性を例に、令和2年分の賃金構造基本統計調査をもとに試算し、平均年収が最も高い業種と最も低い業種を三つずつ下記の表にまとめました(ボーナス・特別給与等を考慮し、ひと月の賃金×14として計算)。
平均年収が高い業種 | 20〜24歳男性の平均年収 | 25〜29歳男性の平均年収 |
金融・保険業 | 326万円 | 412万円 |
学術研究、専門・技術サービス業 | 319万円 | 396万円 |
教育、学習支援業 | 305万円 | 391万円 |
平均年収が低い業種 | 20〜24歳男性の平均年収 | 25〜29歳男性の平均年収 |
生活関連サービス業、娯楽業 | 284万円 | 347万円 |
製造業 | 284万円 | 330万円 |
宿泊業、飲食サービス業 | 284万円 | 316万円 |
20代男性では、金融や保険業の年収が一番高くなっています。金融業界で働くには専門的な知識が必要であるため、給与水準も高めに設定されていると考えられるでしょう。
一方で平均年収が低い業種は、サービス業や製造業でした。景気に左右される業種であることに加え、昇給の幅が小さいことが背景にあると考えられます。
参考:令和2年賃金構造基本統計調査|厚生労働省
「企業規模別」
20代男性の企業規模別の平均年収は以下の通りです。令和2年分の賃金構造基本統計調査をもとに試算しました(ボーナス・特別給与等を考慮し、ひと月の賃金×14として計算)。
企業の分類は厚生労働省に従い、常用労働者 1000人以上を『大企業』、100~999人を『中企業』、10~99人を『小企業』としています。
企業規模 | 20〜24歳 | 25〜29歳 |
大企業 | 311万円 | 374万円 |
中企業 | 297万円 | 347万円 |
小企業 | 291万円 | 332万円 |
平均年収は大企業が最も高いことがわかります。20代後半になると、その差が大きくなっています。一方で中企業と小企業の差は、大企業と比べるとそこまで大きくありません。
上記からは、大企業に入った方が高い年収を得られる確率が高いといえるでしょう。
参考:令和2年賃金構造基本統計調査|厚生労働省
年収を増やすには

自分の年収が平均よりも低く、危機感を覚えている人もいるのではないでしょうか。年収を増やすためにできることを四つ解説するので、年収を増やしたい人はぜひチェックしましょう。
副業をする
隙間時間で副業をすれば、年収を数十万円程度アップさせることも可能です。現在は副業を認める会社も増えており、以前よりも副業をしやすい環境にあるといえるでしょう。
終身雇用が期待できないことからも、収入源はいくつか持っておくと安心です。副業にはさまざまな種類があるので、インターネットなどで興味があるものを調べてみましょう。
ただし、副業は基本的にプライベートの時間を使って行うことになるため、体力面の負担が大きくなりすぎないよう注意が必要です。本業に支障が出ては本末転倒なので、無理のない範囲で行うことをおすすめします。
資格やスキルを身につける
今の仕事に関係する資格があるなら、取得しても良いでしょう。会社によっては昇進の条件に資格の取得が課されている場合もあります。資格手当がある会社であれば、資格を取るだけで毎月の給与を数千円から数万円アップさせることができます。
資格の勉強をすると、その分野の知識を体系的に理解できるため、スキルアップにもつながるでしょう。また資格は自分のスキルを客観的に証明してくれるものなので、転職をするときのアピール材料にもなります。
今の会社で昇進を目指す
今の会社で昇進を目指すことは、王道の年収アップ方法といえます。昇進を狙うなら、管理職に就任することを目指しましょう。役職に就くと手当がもらえ、一気に年収をアップできるためです。
ただし、多くの場合、昇進や昇給のチャンスは多くても年に数回程度です。そのため、昇進による年収アップを目指す場合は、基本的に長期戦になることを想定しておく必要があります。
今すぐにでも年収を上げたい人にはあまり向いていないかもしれません。
別の業種・業界に転職する
転職は、平均年収の低い業界で働いている人や、手っ取り早く年収を上げたい人におすすめの方法です。転職をして年収が上がる人は少なくありません。
また『第二新卒』という言葉もあるように、20代は転職市場でもポテンシャルを見込んで採用してくれる可能性が高くなっています。年齢が若いほどこの傾向は強いため、未経験からチャレンジしたい仕事があれば思い切って一歩を踏み出してみましょう。