目次
中古区分マンション物件を選ぶときのポイントは3つ
 ・物件選びのポイント1. 資料から物件を絞り込む
 ・物件選びのポイント2. 空室になりにくい物件を選ぶ
 ・物件選びのポイント3. 転売しやすい物件を選ぶ
現地調査をするときに見ておきたいこと
 ・現地調査のポイント1. 周辺の様子と施設
 ・現地調査のポイント2. 駅までの道のり
 ・現地調査のポイント3. 建物の状況
 ・現地調査のポイント4. 建物の管理状況

中古区分マンション物件を選ぶときのポイントは3つ

物件選びをする際には以下の3つのポイントに留意していきましょう。

この3つのポイントをおさえておけば、しっかりと収益を出してくれる物件をスムーズに選べます。不動産投資の物件選びの3つのポイントを次で説明していきます。

物件選びのポイント1. 資料から物件を絞り込む

収益物件は日々、沢山の物件が売りに出されており、1件ずつ目を通すだけでも大変です。そこで、まずは条件を絞っていきましょう。不動産投資の物件選びで重視すべき点は以下の5点です。

  • エリア
  • 築年数
  • 駅まで何分かかるか(徒歩分数)
  • 修繕履歴
  • 利回り

上述のポイントがなぜ重要なのでしょうか。それぞれ見ていきましょう。

エリア

その物件がどの町にあるのか把握することは重要です。周辺地域の賃料相場はいくらぐらいかを把握した上で、物件価格と賃料とのバランスを判断します。周辺賃料と乖離しすぎていると、入居者がなかなかみつからず、リスクとなる可能性も考慮する必要があります。

築年数

築年数を調べて、耐震基準を確認しましょう。

これまで起きた地震による被害を受けて、1981年に「新耐震基準」が制定されました。1981(昭和56)年6月以降に建築された建物は、新耐震基準が適用されています。

※厳密には1981年6月以降に建築確認を受けたものです。

新耐震基準では、以下の項目を基準に建築されています。

  • 中地震→建物への損壊は軽微なひび割れにとどめる
  • 大地震→建物が倒壊しない

1981年6月以前に建築された建物は、旧耐震基準となります。ただし1981年6月以前に建築されたものであっても、耐震診断を受けて耐震基準適合証明書があるマンションは新耐震基準に適合しています。

日本は、世界の中でも地震が頻繫に起こる地震国です。地震によって建物が損壊・倒壊するリスクが考えられます。より地震に強い新耐震基準のマンションを選ぶようにしましょう。

駅まで何分かかるか(徒歩分数)

駅から物件までどれくらい時間がかかるのか確認しておきましょう。賃貸物件を探している人は「徒歩10分以内」「徒歩5分以内」など最寄り駅からの距離を重視する人が多いです。一方、ファミリーが駅の近さよりも環境を重視するケースもあるでしょう。

基本的には駅から近ければ近いほど好まれ、駅から遠ければ条件から外されてしまう可能性が高いです。

修繕履歴

マンションは一般的に、12年〜15年周期で大規模修繕が行われます。大規模修繕では外壁・給水管・屋上・共用部などの修繕をしていきます。大規模修繕に向けて積立てを行っていますが、積立金が不足したり、修繕計画が十分ではなかったりした場合は、追加で徴収・積立金の値上げがあります。

修繕履歴から、大規模修繕が計画通りに行われているか確認しておきましょう。

利回り

投資物件が、「どれくらい収益を生んでくれるのか」を数値化した指標が“利回り”です。利回りには表面利回り・実質利回りの2種類の計算方法があります。

給料で例えるならば、表面利回りは額面の金額、実質利回りは手取り額を算出したものです。ランニングコストまで考えて、最終的に自分入ってくる利益=実質利回りが重要です。

しかし、ローン金利・固定資産税・修繕費用などの細かいランニングコストは、物件の条件や状況を精査しなければわかりません。そのため、まずは表面利回りで多数の候補をふるいにかけて、目星を付けていきましょう。

その後、実質利回りから「赤字がでないか」「収益はいくら得られるのか」を計算していくと効率よく物件探しができます。

物件選びのポイント2. 空室になりにくい物件を選ぶ

空室になると収入が0円になってしまいます。それどころか、経費分がマイナスになるため赤字経営です。なんとしてでも空室は防ぎたいところです。

空室になる原因は物件にあります。ここでは、空室になりにくい物件の選び方を説明します。

将来的な賃貸需要が見込めるエリアを選ぶ

不動産投資において、賃貸需要があるかどうかは非常に重要です。借りたい人がいなければ賃貸経営は成り立ちません。また長期的に収益を生み出していくためにも、将来的にも需要が続く立地にある投資物件を選ぶべきです。

日本の人口は東京に一極集中しており、総務局が発表した「東京都の人口(推移)」(2018年1月1日時点)によると、人口総数は1,375万4,059人。前年同月からなんと10万7,295人も増えています。人口が増えている東京は、将来的にも賃貸需要を見込めるでしょう。

駅から近い物件を選ぶ

駅から近い物件は人気が高い傾向にあります。

家を借りたい人たちが何を重視しているかを考慮することは大切です。

ワンルームに一人暮らしの人は、特に駅からの距離を重視する傾向があります。一般的に最寄り駅から距離が近い物件は空室になりにくいでしょう。

物件選びのポイント3. 転売しやすい物件を選ぶ

区分マンションへの不動産投資が上手くいかなかった時や、様々な事情で売却をする際に、「売却のしやすさ」「転売のしやすさ」も考慮して物件選びをしておきましょう。出口戦略までを練って物件選定をしておけば、安心して不動産投資に取り組むことができます。

ほとんどの人は、金融機関の融資を利用して物件を購入します。つまり転売がしやすい物件=融資を受けやすいということになるでしょう。

しかし、融資の際にネックになるのが「耐用年数」です。耐用年数とは、建物の寿命ではなく、法律で定められた利用可能な年数です。金融機関の借入期間は耐用年数と築年数の差分で決まります。

築20年のRCマンションでシミュレーションしてみましょう。

RC造の耐用年数47年-築年数20年=最長借入期間27年

金融機関の中には、耐用年数を超えた期間の融資を行ってくれるところもありますが、基本的には耐用年数で決まります。

築年数が古いとローン期間も短くなってしまうため、買い手が限定されてしまいます。あまり古すぎない物件を選ぶと売却しやすくなるでしょう。

現地調査をするときに見ておきたいこと

希望条件から良い物件を見つけたら、現地調査をします。「写真ではきれいだったのに、実際に見たら建物が薄汚れていた」といったように、紙に記載された情報だけではわからなかったことを現地調査で把握することができます。

できれば1回だけで済ませるのではなく、時間や曜日などを替えて2~3回足を運んでおくと、多くの情報を手に入れられます。現地調査では以下の4つのポイントを、確認していきましょう。

  • 周辺の様子と施設
  • 駅までの道のり
  • 建物の状況
  • 建物の管理状況

各ポイントを詳しく説明していきます。

現地調査のポイント1. 周辺の様子と施設

  • 近隣に競合物件がないか、あった場合は空室状況を見ておく。
  • 嫌悪施設が近くにないか(ゴミ処理場・火葬場・墓地・下水処理場・ガソリンスタンド・ガスタンク・高圧線鉄塔・風俗店など)、あった場合は物件までの距離や、価格や賃貸重要に影響を及ばさないかを確認する。
  • 周辺にコンビニ、スーパー、病院など生活に必要な施設が充実しているか。
  • 物件周辺が騒がしくないか。線路や幹線道路などが周辺にある場合は、物件内で騒音や振動がないかをチェックをする。

現地調査のポイント2. 駅までの道のり

  • 物件情報の「徒歩〇〇分」と、実際に駅から物件まで歩いた時間を比較する。
  • 駅からの道に交差点が多くないか、歩道橋や急な坂、踏切などがないか確認をする。

現地調査のポイント3. 建物の状況

  • 外観の汚れや破損などの劣化状況を見る。破損を見つけたら補修状況や計画を確認する。
  • 基礎部分がひび割れしていないかチェックする。0.3mmを超えたひび割れは注意する。
  • 床にビー玉を転がす、水平器などで水平を確認する。

現地調査のポイント4. 建物の管理状況

  • 共用部分が清潔に保たれているか、清掃が行われているか、建物が管理されているか。
  • 駐輪場に自転車が乱雑に駐輪していないか、玄関付近に私物が置かれてないかを確認して住人の質をチェックする。
  • 掲示板の情報は豊富か、掲示物の内容を見ておく。