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MX-30は「実用的な2ドア」と認識して選ぶ。それが賢明な答えか
MX-30は、マイルドハイブリッド仕様を先行して発売する
MX-30は「実用的な2ドア」と認識して選ぶ。それが賢明な答えか
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また、赤ちゃんから小さい子供がいるファミリーにもいいでしょうね。赤ちゃんをチャイルドシートに座らせたり降ろしたりする際に、観音開きドアは一般的なドアに対して開いたリヤドアやBピラーが邪魔にならず、楽だからです。
子供がもう少し成長し、自分で乗り降りするような年代になってもマッチングは良好。リヤドアの開閉を大人が管理できるから、子供が勝手に力いっぱいドアを開けて隣のクルマに「ドーン!」なんてアクシデントを防げるから。乗り降り自体も、子供ならまったく苦にならないでしょう。いずれにせよ「4ドアでなく2ドアを買った」と考えておけば、フリースタイルドアのいい部分がたくさん見えてくるのです。
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「実用的な2ドア」と認識して選ぶ。それがMX-30を買って幸せになるためのポイントと思えば間違いありません。
なかには、固定されたBピラーがないことで側面衝突時の安全性が気になる人もいることでしょう。しかし、ドアを閉めればリヤドアに内蔵された強固なBピラーがしっかり車体と結合する設計となっているから心配はいりません。
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では、ドア以外の実用性はどうでしょうか。
気になるのは後席の広さですが、空間的には大人2人が座ってロングドライブするのに不足なし。クーペスタイルの外観からは意外ですが、ひざまわりも頭上も余裕があり、想像以上にゆったり座れます。
ただし、太いBピラーの影響もあって窓が小さいので、閉塞感は大きめ。あと後席座面の前後長が短めなのが気になりました。このあたりは個人の感覚に左右される部分が大きいので、実際に座ってチェックして欲しいところです。
その後ろの荷室は400L。CX-30の430Lに比べるとちょっと狭いですが、このクラスとしては平均水準といっていいでしょう。
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運転席に座ると、水平基調のスッキリとしたインパネとともに面白いのがシフトレバーの位置です。台座が高い位置にあってなんだかスポーツカー的。これはハンドルとの距離が近いので持ち替えやすく、操作時の腕の動きも自然でいい感じです。
ドリンクホルダーにペットボトルを置いても、操作の邪魔にならないのもいいですね。
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シフトパターンはMX-30で新たに採用されたマツダ独自の逆L字式ですが、これはPに入れる際にちょつと癖があり、「最前部がP」という一般的な感覚で操作すると、実は「Rのまま」なんてことも。
実は試乗中も、停車するつもりがブレーキを離したらバックして驚きました。慣れるまでは注意です。
MX-30は、マイルドハイブリッド仕様を先行して発売する
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パワートレインは、排気量2.0Lのガソリン自然吸気エンジン(156ps)に出力6.9psと小さなモーターをセット。いわゆるマイルドハイブリッドです。
マイルドハイブリッドは一般的に10%ほどの燃費向上効果があるとされますが、大きなモーターを積むはハイブリッドに比べるとコストアップが抑えられ、性能とコストのバランスに優れているのが長所。
走りはモーターのアシスト感を強く感じることはできませんが、走り出しの反応の良さは光る部分。モーターのアシストの恩恵でしょう。停止からのスタートで気持ちよく前に出ていきます。パワートレインに関しては、特筆すべき程パワフルではないけれど不足はなく軽快といったところ。
加速時に、アクセル操作に対する反応がリニアに思えるのは、トランスミッションがこのクラスで多いCVTではなく6速AT、しかも積極的にロックアップする設計のユニットだからでしょうね。
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乗り心地は、特に初期モデルでは「ちょっと悪い」という印象を受けることが多いマツダ車とは思えないほど滑らか。このあたりは「ストイックにハンドリングを磨いてきた」という背景とはちょっと違う感じです。
MX-30はCX-30に比べてドア開口部周りに加え、サスペンションの取り付け部も強化。そんな車体構造も乗り心地に効いているのでしょう。FFと4WDを乗り比べたところ、FFのほうがより上質な乗り心地でした。
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ただ、走っていて気になったのは斜め後方視界。太いBピラーの影響を受け、特に右後方はそれが顕著で幹線道路や高速道路に合流する際などに右後ろを振り返った際の直接視界がちょっと狭いです。
これは、たとえば右ウインカーを出した時には右斜め後方のカメラ映像をディスプレイに映しだすなどのサポートで解決るのがいいかもしれません。今後のバージョンアップに期待したいですね。