【猫が好き。】何かの続編を指す「2」という数字に、これほど心踊ったことはかつてなかった。世界中に「ボブ猫」旋風を巻き起こした前作「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」の公開から6年。ついに、その続編「ボブという名の猫2(bobthecat2.jp/#)」が2月25日より公開されている。映画のボブはもちろんのこと、私には忘れられない“もう一匹のボブ”がいる。

「ボブという名の猫2 幸せのギフト」、忘れられない「もう一匹のボブ」
(画像=『BCN+R』より 引用)

在りし日のボブ

ボブとジェームズの奇跡の出会い

 前作では、ロンドンでミュージシャンを志していたが、様々な困難に見舞われ、夢破れて薬物に依存しホームレスになってしまった主人公ジェームズ。路上ライヴで日銭を稼いで暮らす彼のもとに、怪我を負った一匹の野良猫が現れ、ボブと名付けたこの猫との出会いをきっかけにジェームズの人生は好転し始め、人間らしさを取り戻していくという心温まる実話に基づくストーリー。実際のボブが出演したことも話題になり、世界中で感動を呼んだ大ヒット作となった。

 原作「ボブという名のストリートキャット」は、世界30カ国以上で出版され、シリーズ累計発行部数が1000万部を突破したベストセラーのノンフィクション。「事実は小説よりも奇なり」とはよく言ったものだ。どん底生活を送るジェームズにボブは「毎朝起き上がる理由」を与えてくれたという。自身の生活もままならない中、なけなしのお金をはたいてボブに生きる糧を与え治療費を捻出。自分以外の「誰か」のために動くことで人生に意義を見出し、何より「薬物に翻弄されている姿をボブに見せたくない」という想いで、投げやりだった生活に見切りをつけることを決心する。ボブはそんなジェームズの側に寄り添い、薬物依存から脱却する大きな心の支えとなり、ともにどん底から這い上がっていく。

ボブがくれたギフトとは?

 2017年、ボブとジェームズはキャンペーンのため初来日を果たす。日本製のスティックタイプのおやつが大のお気に入りになったというボブは、行く先々でジェームズと息の合ったハイタッチも披露したそうだ。

 ずば抜けた聡明さと愛らしさで世界中の猫好きを虜にしたボブだったが、2020年6月15日に惜しくもこの世を去った。不慮の事故によるものだった。衝撃的な訃報を耳にして、私自身ひどく落胆した。しかし、実は生前、続編となる映画の撮影を終えていたのだ。屋外で大勢のスタッフに囲まれての撮影はプロのタレント猫でも上手くいかなかったというのに、二度も本人(猫)役を演じ切るなんてもう奇跡としか言いようがない。

 続編の原作は「A Gift from Bob」(邦題「ボブがくれた世界」)。ジェームズはベストセラー作家に転身し、ボブとともに出版社のクリスマスパーティに出席した帰り道、ホームレスの青年が路上演奏違反の疑いで警察官に取り押さえられている場に遭遇。自暴自棄になった青年にかつての自分を重ね合わせたジェームズは、路上生活をしていた頃の最後のクリスマスの日、ある苦しい選択を迫られた忘れられない話を語り始めるところから物語は始まる。