目次
自己資金100万円で不動産投資をするデメリット
 ・ローンの審査に通りづらい
 ・金利変動のリスクが大きい
 ・借入金が大きくなるためキャッシュフローが悪化しやすい
 ・購入できる物件の母数が少ない
100万円の自己資金で行う物件選びのポイント
 ・区分マンションを購入する
 ・ワンルームマンションの物件を選ぶ
 ・新築だけではなく中古も検討する

自己資金100万円で不動産投資をするデメリット

ローンの審査に通りづらい

物件価格全額を融資してもらうフルローンでの融資を金融機関がどう評価するかは、まず投資対象の不動産の事業性の評価と、加えてオーナーとなる人の職業や資産状況によります。

中古のワンルームマンション投資の場合、年収500万円以上のサラリーマンならばフルローンの審査は通る可能性が高いですが、職業によっては頭金を要求される場合があり、頭金を用意できない場合は、100万円の資金だけではローンの審査で落ちてしまう場合があります。

金利変動のリスクが大きい

頭金を入れた場合とフルローンを比較すると、頭金を入れた方が借入金が少なくなる分、金利変動による返済額の増加は比較的少額ですみます。フルローンが前提となる不動産投資では、金利の上昇による影響を受けやすい点に注意してください。そのため、金利変動のリスクもあらかじめ折り込んだうえで物件を選べるとベストです。

借入金が大きくなるためキャッシュフローが悪化しやすい

100万円の自己資金による不動産投資では、頭金を投入した場合と比較すると収入に対する支払いの割合が大きくなります。そのため、キャッシュフローが悪化しやすいという弱点があります。

同じ期間、同じ金利でも借入額が大きくなるほど支払いの月額は大きくなるからです。ひとつ例を挙げて考えてみましょう。

【借入額の差による月の返済額の違い】

返済期間30年、利率2.5%のローンを利用した場合、フルローンと頭金500万円との借入額の差による月々の返済額は以下のようになります。

返済額

2,000万円の融資を受けた場合:79,024円/月

1,500万円の融資を受けた場合:59,258円/月

以上の条件だと、借入金額が500万円違うと月の支払いに2万円近くの差が出ることが分かります。借入れた金額次第では、毎月の収支がほぼゼロになることもあります。

購入できる物件の母数が少ない

金融機関によっては、借入金に対して2割の自己資金を用意するよう条件としてつけてくるケースがあります。そのため、100万円の自己資金だけでは購入できる不動産価格の幅が狭くなってしまったり、購入件数の母数そのものが少なくなってしまう可能性もあります。そうなると2件目以降の物件購入に繋がっていかない場合もあるので、投資の拡大が難しくなることが考えられます。

例えば、1件目の物件を売却しない限り、2件目以降の不動産ローン利用は金融機関が拒否するケースも金融機関によってはあります。多くの不動産投資家は、2件目3件目と、どんどん投資枠を広げていこうとする傾向にあるため、まずは1件目の投資で次の資金を確保できるように意識しておくことも重要になってきます。

100万円の自己資金で行う物件選びのポイント

不動産投資の対象物件には、区分マンションや一棟(アパートやマンション等)など、種類があります。数百万円から2,000万円前後で買える投資用物件も存在します。では、100万円でできる不動産投資にはどういったものがあるのでしょうか。投資のポイントを見ていきましょう。

区分マンションを購入する

100万円で始める不動産投資としては、区分マンションの購入がひとつの選択肢となります。区分マンションとは、部屋単位で販売しているマンションのことです。区分マンションを運用して家賃収益を得る不動産投資を「区分マンション投資」とも呼びます。

区分マンション投資は以下のようなメリットが存在し、自己資金100万円からでも始めやすいのが特徴です。

【区分マンション投資のメリット】

一棟マンションと比べて手の届きやすい価格である

修繕費用や管理費用が一棟所有より少ない

一方で、一室のみの所有だと空室リスクに備えられないという欠点も存在します。借り手が見つからないと一気に収支がマイナスに傾くため、複数戸所有するなど何らかの方法でリスクを分散する必要があります。

ワンルームマンションの物件を選ぶ

単身者向けのワンルームマンションは、先述したような数百万円から販売されている物件もあり、比較的手に入りやすいです。都心部は2,000万円前後、郊外や地方の市街地等では2,000万円を切るものもあり、物件の数や種類も豊富に揃っています。

ワンルームマンションは売却しやすいため、多くのデベロッパーが投資用賃貸マンションをどんどん新築しているという状況です。またワンルームマンションの入居者は1人であることがほとんどなので、管理がしやすいのも大きな特徴と言えるでしょう。1棟マンションのように高額ではないことから出口戦略として売却もしやすく、小回りが利く投資用物件として扱われることが多いです。

新築だけではなく中古も検討する

不動産投資は、新築物件にこだわる必要はありません。投資用中古物件の取引も盛んなので、区分マンションだけではなく、例えば1棟の中古アパートも投資対象の範囲として検討してみてもよいかもしれません。築古アパート投資の書籍も多く出版されているほど不動産中古市場は活発になっています。また、新築物件は建物価格に別途消費税が加わりますが、中古物件価格の多くは内税表示になっているためわかりやすいのも特徴です。

ただし、築年数によっては金融機関の借入が難しくなる場合もあるので、できるだけ早めに金融機関へ確認しておく必要があります。

なお、中古物件は建物の修繕が必要な場合もありますが、その修繕にかかった費用分を賃料や売却価格に上乗せするケースも多く見受けられます。