副業で得た所得は「給与所得」または「雑所得」
会社員が副業で得た所得にはいくつかの種類があります。多くの場合「給与所得」か「雑所得」のいずれかに分類されるのが一般的です。
もしもアルバイトやパートなどのように、労働に対する給与が発生する場合は給与所得に。そしてフリーランスとして納品した成果物(原稿やデザインなど)に対する報酬が発生する場合は雑所得となります。
このほか「事業所得」もありますが、本業がある場合、事業所得に分類できるほど体系化した事業を営むことはまれでしょう。自身の状況について悩んだ場合は税務署に直接聞いてみることをおすすめします。
ちなみに事業所得かどうか判断する基準は以下の通りです。
- 継続かつ安定した収入があるか
- 時間を一定以上費やしているか
- その事業内容が職業として認知されているか
これって確定申告が必要?特殊な例について解説
確定申告すべき範囲が明確になれば問題ありません。しかし「じゃあこれって確定申告の対象なの?」と不安になる項目が新たに出てきた方もいると思います。
副業で得た収入だと判断しづらい領域、また節税対策などについていくつか補足します。
給付金や補助金:受給先によって課税対象に
ここ数年はコロナ禍にともなう補助金や給付金が増え、初めて国や自治体から補助金を受け取った方も多いかもしれません。
こうした自身の労働と紐付かない収入については、各給付金や補助金のページを検索して課税対象かどうか確認しましょう。課税対象の場合、どの所得として確定申告すべきか公式ページで記されていることがほとんどです。それにならって申告書類に記入しましょう。
一方で、新しく増えた制度は特殊ケースに対する詳しいルールが示されていないことも多いので、不明点は問い合わせてみてください。
基本的には、低所得者の生活維持を目的とした補助金の場合は「非課税」であるケースが多く、コロナ対策によって減少した売上、あるいは出費の補填を目的とした制度は「課税対象」であるケースが多いです。いずれにせよ、自分の感覚で判断せず、給付元の見解を確認しましょう。
ふるさと納税:ワンストップ特例制度を活用
会社員がふるさと納税をする場合、ワンストップ特例制度を利用すれば確定申告せず控除を受けられるのでおすすめです。
任意の申請書を提出する必要があるため、ふるさと納税をするときには忘れずに申請書を希望してください。
ふるさと納税に関し、確定申告が必要となるのは以下のいずれかに当てはまる場合です。
- 寄附先の自治体が6箇所以上ある
- 別途、医療控除などの申告が必要である
- ワンストップ特例制度の申請を忘れてしまった
寄附金受領証明書を準備のうえ、確定申告フォームの寄附金控除の欄に所定の情報を入力してください。
所得20万以下でも確定申告したほうがいい特殊例
冒頭で「所得合計が20万円超」というボーダーラインを示しましたが、20万円以下で確定申告したほうがよいケースもあります。
- 一年以内に住まいを購入した場合
- 収入内で源泉徴収されている場合
まず、住宅ローン減税制度を利用する初年度は、副収入による所得は関係なく確定申告が必要です。一年以内に住まいを購入した人は、別途詳細をご確認ください。
次に、収入内で源泉徴収されている場合です。原稿料や給与所得から源泉徴収する金額は、納税する所得税を先に収入から差し引いたものです。もしも所得合計が20万円以下で納税義務対象外になった場合は不要な納税になるため、確定申告することで還付されます。
加えて、青色申告にすれば赤字だった場合に繰越などの対応もできるため、所得20万以下どころか経費がかさんで赤字になる想定がある場合は、確定申告の準備に加えて青色申告を選択したほうがよいでしょう。