新型コロナによる社会変化などから20〜30代の投資熱が高まった今、「不動産投資」が選択肢として視野に入っている方もいるかもしれません。資産形成をするうえで、不動産投資がほかの投資とどう違うのか、必要な資金やリスクについてご紹介し、ポートフォリオの1つに組み入れられる人はどのような人かを解説します。

目次
不動産投資は初心者でも始めやすい
 ・不動産投資の仕組み
 ・そのほかの「ほったらかし投資」の場合
不動産投資はローンを組める
 ・不動産投資のレバレッジ
 ・長期運用で考える不動産投資

不動産投資は初心者でも始めやすい

これから投資を始めようとする方の中には、「投資は難しい」「かけたお金を失いたくない」「失敗したくない」と心配が先立つ人もいます。難しい・怖いという不安を払拭するためにも、仕組みを理解したうえで取り組み始める必要があります。

不動産投資の仕組み

不動産投資の仕組みはシンプルです。購入した不動産を第三者に貸して、その賃料収入を得ます(インカムゲイン)。

不動産投資の場合、不動産価格が企業の株価のように日々大きく変動するということはあまりありません。不動産価格は月日の経過とともに一般的には下がっていきますが、それでも例えば2,000万円の不動産が翌月に0円になるということはほぼ起きません。

家賃についても、日々上下するというものではなく、契約期間中は一定であることが一般的です。そのため収入金額がある程度計算できる「先の計画が立てやすい」投資となります。

不動産投資は、「入居者募集や家賃を滞納された際の対応が必要なのでは?」という心配をする人もいます。不動産の管理は、管理会社に業務を委託することができます。専門家に業務を委託することで、大家業を突きつめるのではなく「資産を増やす一手段として」投資を行うことが可能です。

日々価格の動向を気にしたりせず、入居者との連絡など管理を業務委託することで、不動産投資は「手間のかからない投資」とすることができます。1年に1度の確定申告はありますが、ほぼ「ほったらかし」でよい投資といえます。

そのほかの「ほったらかし投資」の場合

投資信託(インデックス投資)

「ほったらかし」という観点では、投資信託のインデックス投資も「ほったらかし投資」として広く認識されています。投資信託は資産運用の専門家が投資家から資金を集めて利益を出すことを目的に運用される投資ですが、インデックス型の投資信託は、日経平均株価やダウ平均株価など「株価指数」とよばれる株価の動きを表す数に連動することを目指して運用されます。

多くの投資家からお金を集めてさまざまな投資先に投資しているため、個人でそれらを買おうとしても到底無理な範囲を網羅することが可能となります。

海外株式か国内株式か、または債券なのか、どの市場に投資しているものを選ぶか、手数料は安いか、運用純資産残高は増えているかなどを考慮して商品を決めたら、基本的には日々の運用に気をもむ必要はなく、長期で運用することが可能となります。

不動産投資はローンを組める

不動産投資は、元手のほかに活用できるものがあります。それは投資をしようとする人の「信用力」です。上場企業に勤務する「年収500万円以上、勤続3年以上」のサラリーマンなどは信用力が高いとみなされ、元手をそれほどかけずに不動産投資をスタートすることが可能となります。

不動産投資がほかの投資と大きく異なるのは、投資対象である不動産を購入する際に「不動産投資ローン」というローンを利用できる点です。銀行に「投資信託をしたいのでお金を貸してください」といっても融資はおりません。しかし、不動産は土地と建物が「モノ」として存在することで、銀行はその不動産を担保にして融資をしてくれます。

このことによって不動産投資は「レバレッジが効く」投資となります。不動産の価格は安くありません。東京都心の中古ワンルームマンション1戸がおおよそ2,000万円という価格です(参照:RENOSYマンスリーレポート)。

不動産投資のレバレッジ

不動産投資ローンが組める場合、ローンを活用することで、2,000万円よりもはるかに少ない元手で投資を始めることができます。例えばRENOSYでは、初期費用として50万円で始められるケースがあります。

家賃83,000円、23区内にある中古マンションを、初期費用として50万円、融資金額2,000万円を変動金利1.9%、返済期間35年という条件でローンが組める人がいたとします。この場合、自己資金は50万円で不動産投資がスタートでき、83,000円の家賃収入を毎月得ていきます。

融資のない投資だと、自分の元手を使って2,000万円の物件を購入することになります。「2,000万円という元手」を自由に使える人は多くはないので、取り組みやすい投資とはいえなくなります。

現金で始める場合と比べると、1/40の自己資金で同じ投資効果を得られる、言い換えると自己資金の40倍の投資ができる、つまりレバレッジ40倍の投資を実現できます。

もちろん借りたお金は、毎月返済していく必要があります。ただ毎月の返済も、自己資金で返済するのではなく、入居者から入金される家賃で支払うという仕組みになっています。

長期運用で考える不動産投資

不動産投資は、不動産を短期間で売買して利益を確定させるタイプの投資と考えるよりも、不動産を持ち続けて35年のローン完済後も家賃収入を得続けることができる長期運用を前提に考えることが多い投資です。そのため長期運用中には、自己資金を使う場面もあります(固定資産税、空室時、入退去時、設備故障時などのタイミング)。

ただ運用中に費用がかかることはあっても、不動産投資ローンを組んで始めることができる不動産投資は、不動産価格と比較すると自己資金がそれほどかからず運用ができるのが特徴といえます。

融資を希望する人の年収や勤務先などによっては、初期費用も含めた金額を融資する金融機関もあり、そうなるとさらにレバレッジを効かせることができます。不動産投資ローンが組める人は、上場企業に3年以上勤務している年収500万円の人と一般的にいわれています。

なおレバレッジの効く投資は不動産投資以外にもありますが、株価など価格変動が大きくなる投資はリスクも高い部類に入ります。例えば証券会社では、株式の信用取引を始めるとき「証拠金」を預けると3.3倍の金額まで取引ができます。取引を行うためには、委託保証金30万円以上を預け(委託保証金率も約定代金の30%以上)、運用中に損失が発生すると追加の証拠金も必要となります。詳細は下記記事をご覧ください。