目次
国が進める保育士の待遇改善
未経験から保育士になる方法

国が進める保育士の待遇改善

保育士の年収は低い?理由や年収を上げる方法、補助金を解説
(画像=『キャリアゲ』より引用)

現在、国を挙げて保育士の待遇改善が進められています。具体的な施策を四つ解説します。保育士を目指す上で参考にしましょう。

保育士を確保するための政策

昨今、待機児童が社会問題となっています。この問題を解消するには、より多くの保育士を確保しなければなりません。そして保育士の給料の低さが二番目に多い退職理由となっていることから、保育士の待遇改善の施策が取られることになりました。

具体的には2015年から厚生労働省が『保育士確保プラン』を打ち出し、保育士の給料は引き上げられることとなりました。また保育士として職場復帰するにあたり、最大40万円の就職準備金がもらえる施策もあります。その他、保育士の確保に向けたさまざまな施策がおこなわれています。

参考:保育士確保|厚生労働省

経験などで加算「保育士処遇改善等加算」

保育士の給料を上げる施策の一つとして、2017年から『技能・経験に応じた処遇改善』が施行されています。これは副主任保育士や、各種リーダーなど新たに役職を設けることで、その責務に応じて処遇を改善するというものです。

処遇改善等加算は1と2の二つに分かれています。処遇改善等加算1は全ての従業員に適用される制度で、勤続年数などに応じて給料を数%アップさせる仕組みです。

また、処遇改善等加算2は新たに設けられた役職に対して手当を与える制度で、施設長や主任保育士には適用されません。役職の責務の大きさに応じて、月額5000円または4万円が月々の給料に加算されます。

参考:技能・経験に応じた保育士等の処遇改善について|内閣府

賃金を上げる「新しい経済政策パッケージ」

政府は2020年度末までに待機児童32万人分の受け入れ先確保を目標としていました。その一環として保育士確保のための賃上げが決定され、保育士の給料が2019年4月から1%にあたる月3000円相当が上昇しました。

また、2019年10月より施行された『幼児教育・保育無償化』により、保育士の給料に影響が出ないか心配な人もいるでしょう。しかし同時に実施された消費税増税によって増収した分が、当施策の財源に充られるため、保育士の給料には影響はありません。

参考:「新しい経済政策パッケージ」 について「2.待機児童の解消」 P.4|内閣府

未経験から保育士になる方法

保育士の年収は低い?理由や年収を上げる方法、補助金を解説
(画像=『キャリアゲ』より引用)

もともと別の仕事をしていたけれど、子どもが好きで今から保育士を目指している人もいるでしょう。保育士には年齢制限がないため、何歳からでも目指せます。未経験から保育士になる方法を二つ解説します。

保育士養成学校を卒業する

そもそも保育士資格を取得しないと、保育士にはなれません。保育士養成学校とは厚生労働省が指定する大学、短期大学、専門学校で、科目を修了することで、試験を受けずに保育士資格を取得できます。

また、保育士養成学校に入学するには、高卒以上の学歴が必要です。もし中卒から保育士養成学校に入りたい場合は、その前に高卒認定試験に合格する必要があるため、注意しましょう。

保育士資格を取得する

保育士養成学校を卒業しなくても、保育士試験に合格して保育士資格を取得すれば、保育士として働くことができます。保育士試験を受けるには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

  • 大学、短大、高専卒
  • 平成3年3月31日以前に高校を卒業している
  • 高卒、かつ児童施設で2年以上かつ2880時間以上の実務経験がある
  • 児童施設で5年以上かつ7200時間以上の実務経験がある

試験は8科目あり、合格率は例年10%台と、決して簡単な試験ではありません。合格した科目は3年間有効であるため、その期間内であれば不合格科目のみを再受験することも可能です