鹿に含まれる栄養素は?
鹿や猪をはじめとしたジビエ肉は、近年注目を浴びています。特に鹿肉は、牛肉と比較すると高タンパク・低脂質ヘルシーな食材です。カロリーも1/2以下、また、鉄分やビタミンなどの栄養素も多く含んでいます。
(100gあたり) | エネルギー(kcal) | タンパク(g) | 脂質(g) | 鉄分(mg) | ビタミンB1(mg) | ビタミンB2(mg) |
シカ肉 | 119 | 23.9 | 4.0 | 3.9 | 0.20 | 0.35 |
牛肉 | 294 | 17.1 | 25.8 | 2.0 | 0.07 | 0.17 |
鹿の栄養価が高い理由!
野生の鹿は山を駆け回り、家畜よりも筋肉が発達しています。そのため、高タンパク・低脂肪な肉質であるとともに、肉に含まれる鉄分量が増加。
他にも、脂肪をエネルギーに変換するビタミンB2や亜鉛、ビタミンB12など豊富な栄養素が詰まっています。
また、鹿肉には青魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸が含まれており、ダイエットやアスリートの食事としても注目されている食材です。
鹿肉を食べるときは寄生虫に注意!
鹿をはじめとしたジビエを調理する際、適切な調理をしなければ、寄生虫の感染や食中毒などのリスクが伴います。ここでは、鹿肉を食べるときに注意したい寄生虫や感染した場合の症状、対策をご紹介。注意点を知って、美味しくいただきましょう。
1:トキソプラズマ
トキソプラズマは、猫を終宿主とする寄生虫です。妊娠している人が感染すると、流産や水頭症のリスクが高まります。私の記憶では、妻が妊娠している頃に猫トイレのお世話専任係になった思い出がある寄生虫です。
猫の体内で有性生殖しますが、哺乳類のほとんどに感染する寄生虫となっており、人はもちろん鹿にも感染します。
対策としては、ジビエを刺身などの生の状態や、生焼けの状態で食べないことです。中心までしっかりと加熱して食べるようにしましょう。
2:住肉胞子虫
住肉胞子虫は、筋肉に潜む寄生虫です。人に害はないとされていましたが、馬刺しを食べて感染した例が報告されています。住肉胞子虫に感染すると悪寒や吐き気、下痢などの症状が起こります。生肉を食べたときに発生する事例が多いようです。
対策としては一旦冷凍処理すると、住肉胞子虫は死滅するため、-20℃で48時間以上冷凍してから調理しましょう。また、中心までしっかりと火を通して食べるようにしてください。
3:動物由来回虫
動物由来回虫は、入り込んだ動物によっては成虫にならずに体内を彷徨う性質があります。腸に卵や幼虫の状態でいるうちは、比較的容易に駆除できるとされていますが、臓器や筋肉に入り込むと厄介です。
回虫の感染は、鹿などのジビエ肉を食べて、感染する例が増えているといわれています。感染した影響は多岐にわたり、回虫がいる場所によってさまざまな障害を伴う可能性が考えられるでしょう。
対策としては、肉の中心部まで火が通るようにしっかり加熱調理してください。併せて、調理に使用した器具はすぐに洗い、消毒するなど取り扱いに気をつけましょう。
ジビエ肉を食べる注意点!
- 1:しっかり中心まで加熱する
- 2:生食は避ける
- 3:使用した調理器具は消毒する