目次
給与所得控除の目的
・サラリーマンにとっての経費
・給与所得者の公平性を保つ
まとめ
給与所得控除の目的
給与所得者にとって大きな意義を持つものです。どんな意義かというと、次の2つの意義があります。
- サラリーマンにとっての経費という意義
- 給与所得者の公平性を保つための意義
それぞれご説明します。
サラリーマンにとっての経費
給与所得者であっても、個人事業主と同じとまではいえませんが、仕事のために負担しなければならない費用を、自分の財布から支払うことがある程度はあるはずです。スーツ代、制服代や靴代などの被服費、筆記用具などの消耗品費や交通費、ときには交際費を負担する場合もあるでしょう。
このような実質的な費用負担があることを考慮して、給与所得者には給与所得控除が設けられているのです。個人事業主が売上から経費を差し引くことができるのと同じように、給与所得者は給与収入額から経費の代わりに給与所得控除を差し引くことができます。
そうすることで課税所得額が低くなるので、納めるべき税金や社会保険料の金額も低くなるのです。
給与所得控除がなければ、個人事業主なら差し引くことができる経費を給与所得者は自己負担しなければなりませんが、給与所得控除があることで、個人事業主と給与所得者の公平性が保たれています。
給与所得者の公平性を保つ
給与所得者にとっての給与所得控除が、個人事業主にとっての経費と同じようなものであるとすれば、本来なら給与所得者についても実際に負担した経費のみを給与収入額から差し引くのが正しい考え方ではあります。
しかし、給与所得者は全国に膨大な人数がいて、さらに年々増えつつあります。その一人ひとりについて、実際にいくらの経費を負担したのかを確認することは、税務署のマンパワーの問題もあって現実的ではありません。
また、申告する側としても1年間に負担した経費を申告する作業には大変な労力が必要となりますし、全員が正確に経費を申告できるとも限りません。
そこで、給与所得控除という制度を設けて、給与収入額に応じた控除額を差し引くことによってスムーズに経費処理を行うことができ、それによって給与所得者の公平性も保たれているのです。
まとめ
サラリーマンの方も、今後は最低限、年末調整の際には給与所得控除に注目してみましょう。自分の給料からいくら控除されて、税金や社会保険料がいくら課されているのかを確認することは、今後の資産形成のためにも大切です。
監修: 税理士法人 スバル合同会計
※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。
提供元・RENOSYマガジン
【関連記事】
・【2022年】アメリカの金融緩和で株価はどうなる? 日本への影響を証券アナリストが解説
・不動産投資の勧誘事例・禁止行為と知っておくべき5つの断り方
・元本確保型はNG!? 企業型確定拠出年金でのおすすめ配分や運用商品の選び方
・不動産投資とは?初心者が知るべきメリットや魅力、仕組み、運用方法、始め方
・不動産投資を失敗する理由。 初心者が陥りがちな7つの失敗事例と成功率を高める方法