無印良品とユニクロ。どちらも幅広い世代に支持され、海外でも人気の日本ブランドだが、売上高で勝っているのはどちらかご存じだろうか。純利益も含めて比較してみよう。

良品計画の直近決算:3ヵ月間の売上高は1,229億円

まずは、無印良品を運営する良品計画の業績を見てみよう。直近の決算として2022年8月期第1四半期(2021年9〜11月)の業績が発表されており、前年同期との比較は以下のとおりだ。

<良品計画の2022年8月期第1四半期の連結業績>
四半期 営業収益 営業利益 経常利益 純利益
2022年8月期第1四半期 1,229億4,600万円 111億4,700万円 117億4,500万円 78億4,300万円
2021年8月期第1四半期 1,149億6,000万円 131億5,400万円 134億7,800万円 122億4,800万円
出典:良品計画IR資料

上記の表の「営業収益」が売上高に相当する。2021年9〜11月の売上高は前年同期比6.9%増の1,229億4,600万円、純利益は同36.0%減の78億4,300万円だった。

通期業績は?

過去5年間の通期業績は以下のとおり。途中で会計期間が変更されたため、2020年8月期の業績が大幅に落ち込んでいるようにみえるが、基本的に売上高と純利益は右肩上がりだ。

<良品計画の過去5年間の業績推移>
会計年度 営業収益 営業利益 経常利益 純利益
2021年8月期 4,536億8,900万円 424億4,700万円 453億6,900万円 339億300万円
2020年8月期 1,793億9,200万円 8億7,200万円 5億6,300万円 ▲169億1,700万円
2019年2月期 4,096億9,700万円 447億4,300万円 458億6,100万円 338億4,500万円
2018年2月期 3,795億5,100万円 452億8,600万円 459億8,500万円 301億1,300万円
2017年2月期 3,332億8,100万円 382億7,800万円 385億8,200万円 258億3,100万円
出典:良品計画IR資料

ファーストリテイリングの直近決算:3ヵ月間の売上高は6,273億円

一方、ユニクロを運営しているファーストリテイリングの2022年8月期第1四半期の連結業績は以下のとおりだ。

<ファーストリテイリングの2022年8月期第1四半期の連結業績>
四半期 売上収益 営業利益 純利益
2022年8月期第1四半期 6,273億9,100万円 1,194億600万円 935億9,200万円
2021年8月期第1四半期 6,197億9,700万円 1,130億9,400万円 703億8,100万円
出典:ファーストリテイリングIR資料

「売上収益」が売上高に相当し、2021年9〜11月は前年同期比1.2%増の6,273億9,100万円。同期間の良品計画の売上高は1,229億4,600万円なので、約5.1倍である。

2021年9〜11月の純利益は、前年同期比33.0%増の935億9,200万円。良品計画は78億4,300万円だったため、約11.9倍だ。

通期業績は?

通期業績を比較するとどうだろうか。

2021年8月期のファーストリテイリングの売上高は2兆1,329億9,200万円で、良品計画の4,536億8,900万円の約4.7倍だ。

純利益も比較してみよう。ファーストリテイリングは1,698億4,700万円、良品計画は339億300万円。約5倍だ。

<ファーストリテイリングの過去5年間の業績推移>
会計年度 売上収益 営業利益 純利益
2021年8月期 2兆1,329億9,200万円 2,490億1,100万円 1,698億4,700万円
2020年8月期 2兆88億4,600万円 1,493億4,700万円 903億5,700万円
2019年8月期 2兆2,905億4,800万円 2,576億3,600万円 1,625億7,800万円
2018年8月期 2兆1,300億6,000万円 2,362億1,200万円 1,548億1,100万円
2017年8月期 1兆8,619億1,700万円 1,764億1,400万円 1,192億8,000万円
出典:ファーストリテイリングIR資料

売上高の伸びは良品計画のほうが上だが……

売上高も純利益も、ファーストリテイリングは良品計画をはるかに上回っていることがわかる。しかし、今後はその差が小さくなるかもしれない。

過去5年で比べると、売上高の伸びは良品計画のほうが大きい。2017年8月期と2021年8月期を比較すると約36.1%増、ファーストリテイリングは約14.5%増である。

とはいえ、この伸び率が続いたとしても売上高の規模はファーストリテイリングのほうがはるかに大きいため、すぐに「下克上」ということにはならないだろう。

文・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。

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