専門性に必要なのは「どう表現するか」
少年B:
YouTuberで食べていきたい!って人は多いと思うのですが、どんな分野でやればいいかわからない人は多いと思います。そもそも、自分の武器や専門性ってなんだろう?という……。
自分の個性や専門性に悩んでいる人がいたら、鐵坊主さんはどのように助言しますか?
鐵坊主:
まず「自分の好きなことは何か」「四六時中ずっと考えられることは何か」を突き詰めるのが大事じゃないかと思います。
そして重要なのは、それをどう表現するか。たとえば「何者かになりたい」と思っていても、表現をしないことには何者かにはなれないわけですから。
少年B:
「表現」をする……!
鐵坊主:
たとえば私は、メインの鐵坊主チャンネルでは基本的に顔出しをしていません。初期は字幕で、音声さえ入れていなかったぐらいです。表現の場は文章でもイラストでもYouTubeでも何でもいいし、別に顔出しする必要もない。それでも、表現はできるんです。

鐵坊主:
私はいわゆる鉄道オタクの方々と比べると、「こいつわかってねえな」と思われても仕方ないレベルの知識しかありません。ただ、自分に自信がないのはみんな同じだと思います。いくら知識があっても、それをうまく説明できるかどうかは別です。
少年B:
知識を伝えるのが、表現であり、人の個性が出る部分ということですね。
鐵坊主:
そうです。部活なりバイトなり仕事なり、これまでやってきたことによって、伝え方にその人の個性が出て、専門性につながるんじゃないかなと思います。

少年B:
鐵坊主さんはもともと旅行会社で働いていたことがあるとお伺いしましたが、その経験が生きた部分はありましたか?
鐵坊主:
はい。じつは、ブログを始める前にこれまで自分がやってきたことを紙に書き出したんです。旅行会社勤めでしたから、ホテルやバスの手配をしたわけですが、「どこの人にどんな手配をしたのか」まで自分のやった仕事を細分化して、専門性や強みを探しました。私の場合は訪日外国人向けに「ジャパン・レール・パス」という切符を販売する仕事をやってたことを思い出し、「訪日外国人向けのブログ」で、電車乗り換えを紹介することにしたんです。
それから、あとあと気づいたことですが、企画を立てる際に役所の観光課との折衝があって、公文書や資料の読み方を学べたことがいまの発信に大きく役立っていると思います。
少年B:
なるほど。自分のスキルや経験を棚卸しして考えるというか……。

鐵坊主:
はい。ただ、いまになって思うと、当初想定していた「乗り換え案内」はYouTubeに向いてなかったな、とも思うので、スキルとやりたいこととの相性の問題もあると思います。
少年B:
ええっ!? それはなぜですか?
鐵坊主:
お役立ち情報は、やはりテキストが向いてるなと思いますね。YouTubeでもお役立ち情報はありだけど、チャンネル登録には繋がらないので収益化は難しいな、と振り返って思います。
YouTubeはある程度エンタメ性を求められてるので、ただのお役立ち情報だけだと、リピーターが作りにくいんです。1回限りの付き合いで終わってしまうので。YouTubeをやるなら「その人がやってるから見る」がないと固定の視聴者さんはついてきてくれないんじゃないかと思います。
少年B:
なるほど……!
▲鉄道系YouTuberでありながら「本当に鉄道が必要なのか?」という疑問を呈することも。事実に基づいた徹底的な調査はエンタメになる
鐵坊主:
なので、経験やスキルの棚卸しをして、やりたいこととの相性を考えてみるといいんじゃないかと思います。
少年B:
めちゃめちゃためになるお話をありがとうございました!
鐵坊主:
こちらこそ、最後までお付き合いいただきありがとうございました。それでは、次は動画でお会いしましょう。さよなら!
【記事のまとめ】
- スキルの掛け算で自分の専門性を見つけよう
- ただし、スキルには相性もあるので注意
- 知識よりも「どう表現するか」が大事
- 自分の生きてきた経験が専門性になる
- やってきたことを細かく書き出してスキルの棚卸しを
(執筆:少年B 編集:泉)
※2022/02/26追記 鐵坊主さんのYouTubeサブチャンネルにて本記事が紹介されました。あわせてご覧ください。
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