目次
iDeCo(イデコ)の注意点
・60歳まで引き出せない
・職業などにより掛金の上限額が異なる
・加入時や運用中に手数料がかかる
・受け取り(給付)時には課税される
・運用の知識は必要
まとめ
iDeCo(イデコ)の注意点
iDeCoには多くのメリットがある反面、もちろん注意点もいくつか存在します。特に以下の5つの点に注意してみましょう。
60歳まで引き出せない
通常の定期預金や投資などの場合、自分のタイミングで引き出したり、売却したりすることが可能です。しかし、iDeCoは原則として今まで運用してきた積立金は、老齢給付金として原則60歳になるまで引き出すことができません。
老後の資産作りには適しているものの、途中で思いがけない出費が必要になった場合でも、iDeCoで積み立ててきたお金はあてにできないので注意が必要です。
職業などにより掛金の上限額が異なる
iDeCoの掛金は5,000円からスタートできますが、公務員や自営業、専業主婦など、国民年金の種類(第1号、第2号、第3号)によって上限金額は1万2,000円から6万8,000円と異なります。
また、会社員の場合は勤務先に企業年金制度があるかどうかによっても異なるので、さらに複雑になります。掛金の上限がいくらになるのか知りたい人は、勤務先の担当者に確認してみるとよいでしょう。
加入時や運用中に手数料がかかる
iDeCoを始めるにあたり、国民年金基金連合会への加入や口座開設、運用中など、コストが発生します。手数料は、加入時や移換時の手数料、口座管理手数料、給付事務手数料、還付事務手数料、信託報酬です。
金融機関などによって異なってくるため、どれくらいのコストがかかるかも確認したうえで加入するようにしましょう。
受け取り(給付)時には課税される
iDeCoを受け取ることを給付といいますが、受け取り方には「年金」「一時金(一括受け取り)」「年金と一時金との組み合わせ」があります。
iDeCoを年金として分割して受け取る場合は「雑所得」、一時金として一括で受け取る場合には「退職所得」として取り扱われます。どちらの所得に対しても、所得税と復興特別所得税、所得にともなってかかる住民税が関わってきます。
会社員で退職金と企業年金があり、加えてiDeCoを一時金として一括で受け取る選択をした場合、会社の退職金と企業年金の一時金、iDeCoの一時金をまとめて退職所得として扱われます。退職所得は分離課税で退職所得控除があり、税負担が軽くなるよう配慮されていますが、退職金によって控除の枠が上限まで達してしまうと、iDeCoの受け取りに対して課税される可能性があります。
たとえば課税退職所得金額が2,000万円になると、所得税は10%の税率で課税されます(控除は97,500円)。定年まで勤めた場合の退職金がいくらになるか、そしてiDeCoの積立額(運用の概算金額)を事前に確認することをおすすめします。
年金として受け取る場合も、公的年金等控除がありますが、こちらも枠を使いきって、課税対象となる可能性があります。雑所得はほかの所得と合算した所得とみなされる総合課税となり、所得税および住民税に関わります。
受取時にかかる税金については、一度確認されることをおすすめします。
運用の知識は必要
iDeCoは掛金が5,000円からと少なく初心者でも資産運用を始めやすい一方、運用の知識は必要となってきます。その理由は、運用の結果次第で元本を下回る可能性があるからです。
原則として、iDeCoは途中解約することはできません。経済状況が悪化し、元本割れを起こす可能性があることは念頭に置きましょう。もしも元本が割れてしまった場合は経済状況が回復するのを待つか、別の商品に変更するなどの対処も考えられます。
運用を始める前にある程度シミュレーションしておき、金融危機が訪れた際にも落ち着いて対策できるようにしておきましょう。
まとめ
iDeCoは老後資金が不安になる中で、強い味方となってくれる存在です。掛金すべて所得税控除の対象になるなど、メリットをうまく活用すれば、着実に資産を作ることができるでしょう。今回ご紹介したiDeCoのメリットと注意点を意識しながら、自分に合った運用を試してみてください。
※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。
提供元・RENOSYマガジン
【関連記事】
・【2022年】アメリカの金融緩和で株価はどうなる? 日本への影響を証券アナリストが解説
・不動産投資の勧誘事例・禁止行為と知っておくべき5つの断り方
・元本確保型はNG!? 企業型確定拠出年金でのおすすめ配分や運用商品の選び方
・不動産投資とは?初心者が知るべきメリットや魅力、仕組み、運用方法、始め方
・不動産投資を失敗する理由。 初心者が陥りがちな7つの失敗事例と成功率を高める方法