北海道・千歳市は、空の玄関として有名です。フライトまでのひと時を新千歳空港で過ごすのもよいですが、街には立ち寄ってみたい観光施設がたくさんあります。その中のひとつ「サケのふるさと 千歳水族館」は、淡水では日本最大級の水槽を有し、サケの仲間や北海道の淡水魚を中心に世界各地の淡水生物を観察できます。
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北海道最大の淡水魚水族館
サケの成長を見ながらスロープを下る
北海道最大の淡水魚水族館

千歳川では、古くから人工ふ化放流事業のために捕魚車(インディアン水車)によるにサケ・マスの捕獲が行われていました。水車の籠に鮭が入ると、水力による回転で水揚げされる装置で、日本では北海道庁初代水産課長・伊藤一隆が、北米から設計図を持ち帰ったのが始まりとされています。遡上するサケの群れを捕獲する風景は、千歳市の秋の風物詩となっており、観光客の目を楽しませていました。
千歳市は1979年に「サーモンパーク基本構想」を策定、1994年に千歳サケのふるさと館をオープンしました。2015年に「サケのふるさと 千歳水族館」と改称してリニューアルオープンしています。

建物面積は1,511平方mで地上2階、地下1階建。サケの仲間や北海道の淡水魚を中心に、世界各地の様々な淡水生物が集められています。道の駅「サーモンパーク千歳」に隣接しているので、ドライブの途中や道外からの観光であればレンタカーの返却までの立ち寄りどころとしても最適です。
サケの成長を見ながらスロープを下る

1階のエントランスを抜けると、緩やかなスロープを下ってサーモンゾーンに向かいます。サケの仲間が稚魚から幼魚へ変わる姿を見ながら歩みを進めると、北海道最大の淡水魚専用水槽(深さ5m、水量約300トン)が現れ、成魚に辿り着きます。水槽内にはサクラマスやギンザケ、日本では北海道の限られた場所だけに生息する幻の魚と呼ばれるイトウ、ヨーロッパ原産のブラウントラウトなどサケの仲間の他、巨大なチョウザメの仲間たちが悠々と泳いでいます。

サケ科の魚には、同種の中で2つの生活パターンをもつものがいます。例えばサクラマスには海に下る降海型と、川で一生を過ごす河川残留型があり、後者は「ヤマメ」と呼ばれます。サケやマスの仲間は、氷河期に淡水魚が餌の豊富な海を求めて降海性を強めたものと考えられており、川で生活をほとんどしなくなったサケやカラフトマスが一番進化した種類だと考えられています。