見知らぬ土地の不動産を購入する際は、物件だけでなく周辺の環境を知っておきたいもの。現在の様子はもちろん、未来のまちを事前把握できると、購入物件の資産価値も予想しやすくなります。「まちの住みやすさ発見!」では、さまざまな角度からまちのよさに迫ります。
今回は、複数の大規模開発が進行中の東京駅周辺に、通勤しやすいまちとして注目のJR総武線の3駅(両国、錦糸町、亀戸)をご紹介します。
目次
日本を代表するオフィス街、東京駅周辺で働く人が暮らすまち
東京駅周辺の大規模再開発
・東京駅前常盤橋プロジェクト
・日本橋再生計画、⾸都⾼速道路⽇本橋区間地下化事業
・東京駅八重洲口
・東京駅前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業
日本を代表するオフィス街、東京駅周辺で働く人が暮らすまち
両国・錦糸町・亀戸は、東京駅まで約15分、青い帯の総武本線なら錦糸町から8分。3駅ともJR総武線以外に複数路線あり、電車でのアクセスはもちろん、自転車や徒歩で、さまざまなまちにアクセスできる便利なエリアです。

※JR総武線は、千葉駅から始まり錦糸町で分岐して御茶ノ水駅へと続き中央線と接続する黄色いラインが目印の中央・総武線各駅停車と、錦糸町から横須賀線と接続して神奈川県と千葉県を結ぶ青いラインが目印の総武快速線とがあります。「総武線」沿線上の両国・錦糸町・亀戸を扱うこの記事では、主に黄色いラインの電車をイメージしながらお読みください
東京駅周辺の大規模再開発
東京駅周辺は、金融をはじめとした歴史ある大手企業から日本の経済を担う企業が数多く集まるビジネス街です。高度成長期に建てられた「丸の内ビルディング(丸ビル)」の建て替え(2002年竣工)を皮切りに、丸の内、大手町、そして日本橋、八重洲と、大規模な再開発が続いています。

現在進行形の大規模開発には、「世界で一番ビジネスをしやすい環境」を作るための、従来の規制や制度が大胆に緩和された「国家戦略特区」に指定された事業が複数あります。

現在予定されている再開発事業は、2040年を目処にした日本橋川を走る首都高速道路の地下化(2035年掘削終了、2040年に既存高架橋撤去予定)や、東京駅日本橋口前に位置する常盤橋街区に建てられる日本一の高さを誇るオフィスビル「トーチタワー(390m)」(2027年度完成予定)などがあります。
東京駅前常盤橋プロジェクト
東京駅日本橋口前の常盤街区の大規模複合再開発がTOKYO TORCH(トウキョウトーチ)です(敷地面積3.1ha)。
築年数が経過し老朽化した複数のオフィスビルの建て替えを契機に、既存のJXビルと大和呉服橋ビルを解体して、1つの高層オフィスビル「常盤橋タワー」(A棟)が2021年6月に誕生します(地上38階、建築法上40階・地下5階・高さ約212m、延べ146,000m2)。このオフィスビルだけで約8,000人の就業者が見込まれています。
新型コロナウイルスによる働き方への変化にも対応しながら、多様な通勤手段・働き方への対応として、自転車通勤を想定した駐輪場も設けられ、自転車用111台・バイク用20台が予定されています。
そしてTOKYO TORCHの目玉となるのが、日本一の高さを誇るオフィスビル「トーチタワー(Torch Tower)」(B棟)です(地上63階・地下4階・高さ約390m、延べ490,000m2、2027年竣工予定)。

東京駅前常盤橋プロジェクトの街区名称を「TOKYO TORCH(トウキョウ トーチ)」に決定 2027年度、東京駅前にニューノーマルを見据えた約2.0haの屋外空間を整備した新たな街が誕生|三菱地所、『RENOSYマガジン』より引用)
防災機能や環境機能の向上も含めて、国際都市東京として大規模な開発が進みます。
日本橋再生計画、⾸都⾼速道路⽇本橋区間地下化事業
「COREDO日本橋」(2004年オープン)から始まった「日本橋再生計画」は、三井不動産を中心に官民地域一体で進められています。
COREDO日本橋の改修を含めた以下5地区の再開発が予定されています。
- 日本橋室町一丁目地区
- 日本橋一丁目東地区
- 日本橋一丁目中地区
- 日本橋一丁目1・2番街区
- 八重洲一丁目北地区
日本橋川沿いの敷地面積約6.7ha(約2万坪)、施設の延床面積37万坪に及びます。さらに首都高速道路の地下化が実現すると、川幅含め幅約100m・長さ約1,200mの広大な親水空間となるそうです。
日本橋から東京駅がシームレスにつながり、宇宙ビジネスをはじめとした新たな産業の誕生、世界の課題解決につながる街づくりが進められます。

東京駅八重洲口
東京駅前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業
敷地の細分化や建物の老朽化が進み、防災性が低下するなど東京駅前としてふさわしい土地利用がされていない状況にあるとして、開発が進む八重洲口です。国際都市東京の玄関口にふさわしい交通結節機能の強化と国際競争力強化のため、高度な防災機能・環境性能を確保した再開発が進んでいます。
東京駅前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業の解体工事は2020年10月より始まり、小学校を含む既存の50を超える建物を解体し、地上51階(高さ250m)の超高層ビルが完成します(延べ面積225,200㎡、2025年4月竣工予定)。
現在進んでいる八重洲二丁目北地区第一種市街地再開発事業では、既存の建物20棟が解体され、中央区立城東小学校や新しくブルガリ ホテル 東京も入る超高層ビルの建設が進んでいます(地上45階、高さ240m)。

また、現在分散している高速バス停留所を集約し地下化がされます。地上の歩行者環境を改善するため、24時間稼働の国際空港や日本各地の都市とを結ぶ大規模ターミナルが地下にできます。

このように、東京駅一体のビジネス街は、国内外のさまざまな交流が生まれる場所になります。発展を続けるまちに勤務される方の住宅需要が高いエリアが、東京駅周辺の沿線になります。

東京駅周辺に勤務する人々の住宅需要が見込まれるまちのひとつとして、東京駅に近い両国、錦糸町、亀戸に注目が集まっています。それは今後の就業人口の増加も予想されるためです。