「ふるさと納税制度」は寄付した自治体から返礼品を受け取ることができるお得な制度として多くの人が利用しています。自治体も財源の確保と地域経済の活性化を目指してさまざまな商品やサービスを提供していることから、年々内容が充実しています。

サラリーマンなどが不動産投資をしている場合、寄付額の上限金額が上がる可能性もあります。しかし、ふるさと納税は上限金額を超えて寄付をしたり、確定申告でふるさと納税の申告を忘れてしまったりすると控除や還付が受けられなくなるので、利用にあたっては注意が必要です。

そこで今回は、不動産投資をしている方のためにふるさと納税の上限と確定申告の流れを解説していきます。

目次
ふるさと納税とは
 ・ふるさと納税の仕組み
 ・返礼品を送付してもらえる
ふるさと納税の限度額
 ・ふるさと納税限度額の計算式
 ・シミュレーションで上限額がすぐにわかる

ふるさと納税とは

不動産投資をしている人のふるさと納税の上限と確定申告の流れを解説
(画像=『RENOSYマガジン』より引用)

まずは、ふるさと納税の概要について紹介していきましょう。

ふるさと納税の仕組み

「ふるさと納税」は任意の自治体に寄付金を納める代わりに、住民税と所得税の控除・還付が受けられる制度です。また控除を受けられるだけでなく、寄付をした自治体から返礼品を受け取ることができます。

不動産投資をしている人のふるさと納税の上限と確定申告の流れを解説
(画像=『RENOSYマガジン』より引用)

返礼品の内容は自治体によってさまざまで、各自治体はより多くの寄付を集めるために地域の名産品などを提供しており、各地の食材や工芸品が入手できます。返礼品の充実に伴い、ふるさと納税の利用数(寄付された件数、受入数)は年々増加傾向にあり、2018年には2,000万件を突破し、2019年は約2,334万件でした。

返礼品を送付してもらえる

ふるさと納税を多くの人が利用する理由のひとつに「返礼品」が挙げられます。返礼品とは、ふるさと納税を受け入れている自治体の農産物や工業製品、行政サービスを寄付者に送付される物品のことです。内容は自治体によって異なりますが、魚介類・肉類・フルーツ・米などが人気のようです。

以前は寄付額に対する返礼品の金額は自治体によって自由に設定できていたため、より高価な返礼品で納税者の注目を集める方法が多くとられていました。しかし、2019年の制度改正により、返礼品の金額は寄付額の3割以下に制限されるようになっています。

ふるさと納税の限度額

ふるさと納税で控除される税金には、上限があるため、寄付する額には注意をしなくてはいけません。限度額は年収だけでなく配偶者の有無や扶養家族の人数、保険料や医療費の控除などで変わってきます。税金が控除される範囲でお得に利用するためには、自分の上限額がどのくらいか計算して確認しておきましょう。

不動産投資をしている人のふるさと納税の上限と確定申告の流れを解説
(画像=確定申告で申告した場合、『RENOSYマガジン』より引用)

ふるさと納税限度額の計算式

ふるさと納税の上限額は、所得税の税率と住民税の金額(所得割額)を割り出すことで自分で計算することもできなくはありません。

所得割額は、所得に対して課税される「課税所得金額」に10%をかけて割り出せます。

課税所得金額を割り出すまでには、さまざまな控除などを考慮する必要があります。収入金額から、給与所得控除等、不動産投資の赤字分を損益通算するなどをします。損失の繰越控除もあれば控除します。すると「総所得金額」が出ます。総所得金額から所得控除(全15種類)をします。ここでようやく「課税所得金額」が出ます。

不動産投資をしている人のふるさと納税の上限と確定申告の流れを解説
(画像=『RENOSYマガジン』より引用)

シミュレーションで上限額がすぐにわかる

上記の計算を自分でするのは大変なので、総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」には、控除の目安上限額が一目でわかる一覧表があります。上限額をすぐに知りたい人は、こちらでおおよその限度額を確認しましょう。