競合の動きも「ポテトロス」と酷似

牛丼販売を停止し、新メニュー販売に注力する吉野家を尻目に、競合他社は、牛肉をオーストラリア産や中国産などに切り替え、牛丼販売を再開させます。松屋(株式会社松屋フーズホールディングス 以下 松屋)は、8か月後の2004年10月から。すき家(株式会社すき家 以下 すき家)は、7か月後の2004年9月から。

この効果は大きなものでした。吉野家が牛丼販売を停止(または時間限定販売)している期間に、すき家は店舗数を大幅に増加させ、2009年には吉野家を超えることとなります。

ブランドを守るため、販売停止を決断した吉野家。店舗数においては競合他社に遅れをとる結果となりました。今回のマクドナルドの判断は、どう影響するのでしょうか。

競合は1か月で新規顧客を獲得できるか

マクドナルドのポテトの「減量」に対し、「増量」策を採ったフレッシュネスとミニストップ。

フレッシュネスのポテトフライの特徴は、「皮つき」であること。そして、オリーブオイルを配合した油で揚げていること。すっきりとした、じゃがいもそのものの味が楽しめます。

マックフライポテトに国産じゃがいもを使わない理由
(画像=左:フレッシュネスバーガー 右:ミニストップ、『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

ミニストップのポテトフライの特徴は、ポテトの形状です。同社が「Xカット」と呼ぶ形状は、揚げる時油があたる面が多いため、全体がしっかり揚がります。冷めても美味しく食べられます。

両商品とも、マックフライポテトに劣るものではありません。一度、食べてもらえれば、継続購入が期待できそうです。両社とも「増量」開始したのは、マクドナルドの限定販売開始の、わずか5日後でした。対応の速さがうかがえます。

マックフライポテトのM・Lサイズ再開まで、おおよそ1か月。この短い期間で、両社は新規顧客を獲得できるでしょうか?

【参考文献】
吉野家(茂木 信太郎/著 生活情報センター)

文・関谷 信之/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

【関連記事】
「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
大人の発達障害検査をしに行った時の話
反原発国はオーストリアに続け?
SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
強迫的に縁起をかついではいませんか?