不動産投資を始めると、家賃が定期的に入ってきます。しかし同時に、ランニングコストもかかります。不動産を購入する時には初期費用がかかるほか、不動産投資の運用中は、毎月、毎年かかる費用があります。この記事では、中古の区分マンションで不動産投資を運用するときにかかる費用の内訳と金額の目安を説明します。

目次
不動産投資にはランニングコストが発生する
 ・中古区分ワンルームマンション投資の場合
常にかかる費用の内訳
 ・管理費
 ・税金

不動産投資にはランニングコストが発生する

中古区分ワンルームマンション投資の場合

不動産投資を中古ワンルームマンションで始めた場合、建物によって異なりますが、毎月およそ1万円から1.5万円ほどの費用が発生します(RENOSYの場合/加入する賃貸管理プランによって異なる)。

その費用の内訳は、次の3つに大きく分類できます。

  1. 「快適に暮らせるマンション」の状態を保つ費用
  2. 入退去や家賃など、入居者に関する費用
  3. 不動産を持っていることに対してかかる税金

常にかかる費用の内訳

不動産投資の運用中にかかる、上記に分類した費用の内訳を見ていきます。

管理費

マンションを区分で所有する場合には、業務委託することで、オーナー自ら「大家業」をする必要はありません。実際に手を動かす必要はありませんが、物件と入居者に対してどのような業務が行われているのかを知ることは重要です。

1の「快適に暮らせるマンション」の状態を保つ費用は、細かくは次の2つの「維持管理費」と「修繕費」になります。

建物の維持管理費

マンションを買ったことがないと、「建物の維持」と聞いてもピンとこないかもしれませんが、これは常にマンションを「住む人たちが日々快適に過ごせる」状態に維持しつづける費用です。

マンションは、一つの建物の中に、各自の住戸(専有部分)と、それ以外の部分(共用部分)があります。共用部分に関しては、マンション所有者たちでつくる管理組合がルールを決めていきます。

不動産投資のランニングコスト、いくらかかる?
(画像=エントランスや階段・廊下は共用部分、『RENOSYマガジン』より引用)

共用部分について、誰が掃除をして、切れた照明を交換し、エレベーターの定期点検をするか?などの運用ルールは、管理組合を通して決められます。一般的に、これらの業務は「不動産管理会社」に委託されることが多いです。

管理組合は、共用部分の清掃代や管理人常駐費など、日々快適に暮らすための維持管理費用を集め、所有者は管理費用を支払う必要があります。

不動産投資のランニングコスト、いくらかかる?
(画像=清掃が行き届いたマンションは、訪問者への印象も良くします、『RENOSYマガジン』より引用)

建物の修繕積立金

マンションは、約15年に1度の頻度で「大規模修繕工事」をすることが法律で決められています。日々の維持管理費も必要ですが、同時に、将来に向けた大がかりなメンテナンス費用も貯めていく必要があります。

この費用に関しても管理組合を通して決まっており、所有者は修繕積立金を納める必要があります。

修繕は大規模修繕工事のタイミング以外にも発生します。玄関のタイルに亀裂が見つかれば補修工事が必要ですし、エレベーターの点検で不具合が指摘されれば部品交換なども必要となります。建物管理会社は定期的に点検作業を行うため、修繕費は都度かかり、集めたお金から使われていきます。

不動産投資のランニングコスト、いくらかかる?
(画像=数カ月続く大規模修繕工事、『RENOSYマガジン』より引用)

そして一般的に、修繕積立金は築年数が経過すると金額が増えていきます。

マンションの日々の管理と、大規模修繕工事に向けた積み立てや大規模修繕工事の実施は、どちらも建物の管理業務です。これらの業務も建物管理を専門とする不動産管理会社に依頼することが多いです。

入居者に関する管理

入居者に関わる業務も発生します。業務内容は入居者募集から契約締結・契約更新時の対応や退去時の対応、家賃の入金確認、もし滞納をした場合には催促をするなどのほか、入居中に例えば「お湯が出なくなった」など入居者から連絡を受けた場合はそれに対応するケースなどがあります。

不動産投資のランニングコスト、いくらかかる?
(画像=入居者さんのもとを訪ねることも、『RENOSYマガジン』より引用)

保険

火災や地震に備えて、建物を対象にした損害保険に入るため、火災保険そして地震保険料の保険料がかかります。保険の契約期間は10年または5年で設定することが多いです。

専門家への支払い

1年に1度必要になる確定申告についても、税理士や公認会計士など専門家に外部委託することが可能です。1年に1度のスポットで依頼する、毎月継続して依頼するなどいくつかのパターンがあるようです。例えば所有物件が多くて自分で管理するのが大変だったり、ほかの事業とあわせて確定申告する必要がある場合など、税に関する業務をアウトソーシングすることでオーナー自身の負担を減らすことができます。

税金

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 所得税(2037年まで復興特別所得税も)
  • 住民税

不動産を所有している間、毎年その不動産に対して「固定資産税」と「都市計画税」という税金がかかります。

不動産投資のランニングコスト、いくらかかる?
(画像=固定資産税・都市計画税 納税通知書、『RENOSYマガジン』より引用)

また、不動産投資の結果として、得られる収益に対しても税金がかかります。サラリーマンの場合は給与所得と不動産所得をまとめて計算しますが、まとまったその所得に対して「所得税」、そして「住民税」がかかります。

※この記事では個人に対してかかる税金を紹介します。法人として不動産投資を運用する場合とは異なります。