光の波長を変化させる赤いプラスチックで農作物がよく育つ

「太陽光を赤色に変換するプラスチック」で作物収穫量を最大37%アップ!
(画像=波長を変化させる材料「LLEAF」 / Credit:LLEAF Pty Ltd、『ナゾロジー』より引用)

研究チームが開発したのは、太陽光を吸収・放出する特殊な染料です。

これをプラスチックと組み合わせることで、太陽光の波長を操作する色付きプラスチックとなります。

例えば、今回利用されている赤色のプラスチックは、太陽光を吸収した際、緑色の波長(500~600nm)を赤色の波長(600~700nm)に変換。

「太陽光を赤色に変換するプラスチック」で作物収穫量を最大37%アップ!
(画像=太陽光の波長を変化させて放出 / Credit:LLEAF Pty Ltd、『ナゾロジー』より引用)

これにより緑色の光を少なく、赤色の光を多く放出でき、光合成の効率を向上させられるのです。

そしてこの新しい材料「LLEAF」を使った実験も行われました。

光合成を促進する赤いLLEAFを温室の天井に取り付け、いくつかの農作物の収穫量が変化するか調べたのです。

「太陽光を赤色に変換するプラスチック」で作物収穫量を最大37%アップ!
(画像=LLEAFによる温室栽培で収穫量が最大37%アップ / Credit:LLEAF Pty Ltd、『ナゾロジー』より引用)

その結果、それぞれの収穫量は以下のように変化しました。

チンゲン菜:37%増
ロメインレタス:14%増
バターヘッドレタス(サラダ菜):27%増

温室の天井を変えるだけで、収穫量を平均2~3割も増やすことができました。

LLEAF自体は安価であり、既存の施設にも適用できるので、生産者たちにとっては画期的な発明だと言えるでしょう。

とはいえ、この新しい試みには懸念点もあるようです。