(6)もっと「宇宙実験」について知りたい!どこで調べればいい?

上記に紹介した実験以外にも面白い実験は山程あります。特に医療・創薬系の実験を今回紹介できなかったので、(たとえばがんを無力化する実験など)ぜひ下記のサイトからいろいろな分野の実験を覗いてみてください。

特に、NASAのサイトは合計587の実験について紹介されており、一部論文も公開されています。さらにディープな論文まで読んでみたいという方はぜひご覧になってはいかがでしょうか。

(7)おまけ:もしISSで宇宙の実験をしたいと思ったらどうすれば良い?

ISSで実験を行うまでのフロー

ISSで実験を行うまで、過去の実験募集のフローの一例を紹介します。

国際宇宙ステーション(ISS)では何をしている?「宇宙実験」の概要と事例紹介
(画像= 2019 年度「きぼう」での静電浮遊炉を利用した材料研究テーマ募集の資料からフローを抜粋Credit : JAXA、『宙畑』より引用)

また、搭載試料候補選定から宇宙実験実施までの期間は、半年から1年程度を想定していることが多いようです。

ただし、フローの詳細は説明会などで実際にお話を聞いてみるのもよいかもしれません。

JAXA側の審査のポイントも下記に示しておきます。

国際宇宙ステーション(ISS)では何をしている?「宇宙実験」の概要と事例紹介
(画像=Credit : JAXA、『宙畑』より引用)

募集内容によっては利用料金(上記の募集の場合1種類(3サンプル):約58万円)を負担すれば、下記の選考を通らずに得られた成果を占有できる「民間利用促進コース(有償利用制度)」もあるようです。気になる方はぜひチャレンジしてみてください。

ISSで小型衛星を放出したい場合のフロー

小型衛星を放出したい場合、国内だとSpaceBDと三井物産の2社が窓口となっています。いずれかの企業に相談してみることで、具体的なフローを知ることができます。

SpaceBD社のホームページにあるように、打ち上げるまでには各種申請や試験、審査などの工程があります。

まとめ

以上、ISSで行われている実験についてまとめてみました。テレビや雑誌で宇宙飛行士が実験している様子を見たことはあっても、その全貌は知らなかったという方がほとんどではないでしょうか?

遠い世界で起きていると思うものでも、実は地上ですでに実用化されているというものも少なくありません。ぜひ宇宙空間という特殊な世界で、読者の皆様の周りのものでも何ができるか、考えてみてください。

また、この記事を読んでISSで実験してみたい、小型衛星を打ち上げてみたいという方はぜひ宙畑までお問い合わせください。

提供元・宙畑

【関連記事】
衛星データには唯一無二の価値がある。メタバース空間のゼロ地点を作るスペースデータ佐藤さんを突き動かす衝動とは
深刻化する「宇宙ごみ」問題〜スペースデブリの現状と今後の対策〜
人工衛星の軌道を徹底解説! 軌道の種類と用途別軌道選定のポイント
オープンデータ活用事例27選とおすすめデータセットまとめ【無料のデータでビジネスをアップデート! 】
月面着陸から50年!アポロ計画の歴史と功績、捏造説の反証事例