宇宙における理想のトイレとは?

宇宙開発でトイレの設計を担ってきた米ハミルトン・サンドストランド社は、現在開発が進められているオリオン宇宙船カプセルのトイレ開発にも携わっています。トイレの機能試験のため、1日36リットルの尿を必要としているのだとか!?

「友人を失いたくなければ、トイレを正しく使うことがなによりも大切でした」「騒動をきっかけとして、単調さが一気に解消された」。宇宙飛行士のみなさんは語っています。快適さが求められるトイレですが、時には生死隣り合わせの任務で、不完全なトイレはふと笑いを起こさせるなど、宇宙飛行士や地上管制官のリラックス効果に一役買っているのかもしれません。

乾燥、防音、防臭、自動開閉便器、暖房便座、湯温度調整、洗浄に使う水量を開発した日本のトイレの設計能力。日本の技術開発能力も、意外な分野で力を発揮する余地が残されているのではないかと感じずにはいられません。

(参考)
(1)「わたしを宇宙に連れてって 無重力生活への挑戦」メアリー・ローチ著(訳:池田真紀子)、NHK出版、2011年
(2)Waste Collector System Technology Comparisons for Constellations Applications, James Lee, Broyan, Jr., NASA Lyndon B. Johnson Space Center, NASA, 2007
(3)「宇宙でトイレにはいる法」ウィリアム・R・ポーグ著(訳:楠田枝里子)、筑摩書房、1987年
(4)「トイレのチカラ トイレ改革で社会を変える」第7章 宇宙…宇宙船のトイレを改善すれば、途上国のトイレも良くなるのか、上幸雄著、近代文藝社、2015年
(5)How to Build Your Own Sapceship: The Science of Personal Space Travel, Piers Bizony, Portobello Books Ltd, 2008

提供元・宙畑

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