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スーパースポーツをカウルレスにカスタムしたのがその源流
異形面(イケメン)になって新登場したGSX-S1000

スーパースポーツをカウルレスにカスタムしたのがその源流

2000年以降、各メーカーが新型車を投入し、ネイキッドに取って代わらんばかりの盛り上がりを見せているジャンルが「ストリートファイター」略して「ストファイ」だ。

その起源はヨーロッパにあるようである。

フルカウル車でウイリーやストッピーなど派手なアクションを決めるエクストリームのブームの中で、当然の様に転倒を喫し、カウルが破損。補修部品は高く、手に入りづらいのでカウルレスにして乗ったのがやがてカスタム手法として伝播していったようだ。

というは、日本の80年代走り屋ブームの中でも転倒を契機にレプリカをネイキッド仕様にするという同じ様な流れがあったように感じるが、ヨーロッパのストファイは、単なるネイキッドではなく、ヘッドライトにスーパーモタード系のパーツを流用したり、ウイリーで邪魔になるリアフェンダーをカットしたりするなど、独自のスタイルを確立していったのである。

そんなスタイルが日本にも逆輸入される形で、密かなブームとなり、メーカーも新型車として様々なモデルをラインナップしている。

そんなストファイモデルの特徴はアップハンドルで街中で扱いやすいポジション、ショートホイールベースで小回りの効く走り、ショートテールかつ個性的で鋭いフェイスデザインなどが挙げられるが、なんと言っても、中低速を強化し、ストリート向けに振った出力特性が人気の秘密といえるだろう。

ここでは、中でも1000ccオーバーのストファイモデルに注目したい。

1000ccオーバーのストファイモデルのエンジンは、基本的にスーパースポーツ(SS)ベースとなる。サーキットを速く走るために開発されたSSのパワーユニットは、超高回転型かつ高出力を有する。そのエンジンをベースにストリート向けにリセッティングを受けており、シグナルスタートなら時にSSにも勝るダッシュを見せることも。

まさにストファイは公道最速とも言えるマシンなのである。

街乗りでSSに乗るのは、普段の足にフェラーリとかランボルギーニに乗るようで、楽しいものではあるのだが、如何せんポジションは辛いし、公道においてそのパワーを解放するシチュエーションは無いに等しい。

ところがストファイなら、街乗りでそのパワーの片鱗を味わうこともできる!

日常的に付き合える非日常的スペックが大きな魅力なのだ。

ここでは、各メーカーにラインナップされている国産ストファイを5台紹介していきたい。

異形面(イケメン)になって新登場したGSX-S1000

SS譲りの強心臓で公道最速の俊敏な走り!国産ストリートファイター5台【2022年版】
(画像=トリトンブルーメタリック、『Moto Megane』より引用)

2021年型となって新登場したGSX-S1000は、GSX-R1000譲りのパワーユニットをストリート向けに味付け直して、中低速のトルクをアップさせただけでなく、最高出力までアップさせる大サービス!スズキはハヤウマい店か!?

3つの走行モード選択、5段階のトラコン、双方向のクイックシフトシステム(オートシフター)、低速時にエンジン回転の落ち込みを緩和する「ローRPMアシスト」など、電子制御もほどよく入って、先代よりも少し値上がったが十分納得の143万円はバーゲンプライス。

縦2灯に並んだヘッドライトはLEDで、インテリジェンスと威圧感を兼ね備えたタイプで、先代に比べるとさらに進んだ未来感と、日本の風景に浮きすぎないデザインで、リターンライダーのお父さんも安心してお家に迎え入れられそう。

150馬力の大パワーが街でも山でも高速でも、楽しく堪能できて技術の進化著しいストファイとなっている。

SUZIKI GSX-S1000 メーカー希望小売価格(消費税込み) 143万円 シート高(mm) 810 車両重量(kg) 214 総排気量(cm³) 998 最高出力(kW[PS]/rpm) 110 [150 ]/ 11,000 最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 105 [10.7] / 9,250