社内に人間関係がうまくいっていない人がいたり、仕事の内容が自分に合っていなかったりすると、会社に行くのが嫌になることがあるのではないでしょうか。会社に行くのが嫌になったとき、最終手段としてバックレるかどうか悩むことがあります。しかし、結論から言うと、会社からバックレという形で姿をくらますのはやめましょう。今回は、会社をバックレることにまつわるトラブルと、その解決方法について解説します。
目次
会社をバックレで退職するとその後のリスクが高い
会社をバックレで退職した時のリスク
会社をバックレで退職するとその後のリスクが高い

辛い仕事から解放されたい、会社をバックレたいと感じる方は多いのではないでしょうか。まず知っておいていただきたいのは、問題が起きた時に仕事を辞める決断するというのは当然の権利だということです。
しかし、何の連絡もせずに急に姿を消すのは賢い方法ではありません。無断欠勤を続けると、最悪の場合、懲戒解雇となり、転職に悪影響を及ぼす可能性があります。労働者にはいつでも仕事を辞める権利があるので、わざわざ辞める必要はないのです。
会社をバックレで退職した時のリスク

では、バックレという形で会社を辞めるリスクにはどのようなものがあるのでしょうか。行動を起こす前に、まずはバックレに伴う注意すべきリスクについて見ていきましょう。
リスク①自宅訪問される
当然ですが、突然出勤するはずの時間に来なければ、会社から連絡が来ます。自分は単に仕事が嫌でバックレたのかもしれませんが、会社にはなぜ出勤しなかったのかさっぱり理由が分かりません。そのため、上司、同僚、その他会社関係者から連絡が来ることが考えられます。
電話が嫌で無視しても、電話に出るまで何度も何度も連絡が来る可能性もあるでしょう。また、連絡が取れない場合、次の段階として上司が安否確認に家に来ることもあります。
会社はとにかく従業員が無事なのか安否を確認したいので、電話で連絡が取れない場合は、家に探しに来ることになります。自宅が会社から近い場合や寮に住んでいる場合は、上司が自宅に来る可能性があることも頭に入れておいた方がよいでしょう。
リスク②実家に連絡される

電話してもでない、家に行っても応対がないとなると、次は親に連絡される可能性があります。その結果、ご両親に無断欠勤がばれたり、心配になって警察に通報されたりすることもあり得ます。
会社側は何が起きているか全く分からないので、とにかくあの手この手でどうにか安否を確認したり、もしくは出勤するように説得するための手段に出るのが普通です。
また、会社の備品を借りたまま消えてしまったのなら、鍵や入館証などの備品を返したいと思っている場合もあります。いずれにしても、こうした会社からの接触を避けるのは難しいでしょう。
リスク③警察に連絡がいく

どうしても連絡が取れない場合は、最悪の場合、警察に連絡することになります。もちろん会社やご両親の意向にもよりますが、連絡が取れないならまずは警察沙汰になるリスクは想定しておいた方が良いでしょう。
もし、自分の同僚や直属の後輩が突然このような状況に陥ったら、どう思うでしょうか?バックレなのかどうかという可能性は別として、少なくとも何らかの危険にさらされるかもしれないと考えるのは当然のことです。
そう考えると、会社や親に知らせずに会社を辞めたとしたら、当然皆が安否を心配して、最後には警察に行方不明届けを出すところまでいく可能性が高いでしょう。このように、急に連絡が取れなくなることで、起きうるリスクを理解しておくことが大切です。
リスク④給料や退職金が減る

退職金については、就業規則などにもよります。休んだ後の給料はもらえませんが、それまで1ヶ月働いていれば1ヶ月分、半月働いていれば半月分の給料が支払われます。ただし、無断欠勤が自動的に有給休暇として扱われるわけではありません。
無断欠勤したのは自分の都合だから有給は取れないと思っている方も多いようですが、退職前に働いていた分はきちんと受け取るようにしましょう。とはいえ、退職金については、多くの会社で就業規則や退職金規程があり、その内容によって対処の仕方が決まってきます。
懲戒解雇された従業員の退職金は、就業規則等では「なし」「減額」とされている場合が多いので、この規則に従って退職金を満額受け取れないケースも多いのが実情です。
リスク⑤転職が不利

懲戒解雇は非常に重い処分ですから、就職したい先の企業もそのような経歴のある人を採用しようとは思わないでしょう。
解雇という事実を黙っていれば済むのではないかと考える方もいますが、離職票や退職証明書の提出を求められたら、重大な理由で解雇されたことが一目瞭然になってしまいます。

普通に解雇されたとしても、離職票に「重大事由による解雇」と記載される可能性があり、再就職も難しくなります。もちろん、書類選考や面接で隠せても、発覚すれば退職を促されることもあります。
懲戒解雇を隠すのは難しく、懲戒解雇された後の転職は完全に不利になります。会社を辞めたいのであれば、会社が納得するような理由を考え、きちんとした退職の手続きをとるのがベターです。
リスク⑥懲戒解雇される

2週間欠勤が続くと「会社が懲戒解雇に踏み切る可能性がある」と言われています。懲戒解雇とは「罰として解雇されること」を意味し、懲戒処分の中でも最も重い処分です。
2週間の無断欠勤で予告なしの懲戒解雇が可能とされているのは、過去の判例から長期無断欠勤を理由とした解雇が有効とされています。
通常は解雇の事前予告が必要ですが、その例外として「正当な理由なく2週間以上無断欠勤し、出勤の催促にも応じない場合」が政府通知に盛り込まれているためです。こうした理由から、ほとんどの企業では就業規則に「2週間の無断欠勤は懲戒解雇」と定めています。

パワハラなど会社に落ち度がある無断欠勤の場合は、個人の責任とは言い難く、懲戒解雇は認められないことが多いですが、単に仕事をサボっているだけの場合は、2週間で懲戒解雇になる可能性は低くはありません。
懲戒解雇された場合、退職金や解雇予告手当を受け取ることができず、残っている有給休暇も無効となり、もちろん転職にも影響が出る可能性があります。
リスク⑦離職票などの書類がもらえない

会社をバックレた場合、退職に必要な書類が手に入らないこともあります。会社には離職票などを渡す義務がありますが、バックレて会社とは無関係になった人のことは気にしていないかもしれません。
そしてバッくれた方としても不当に辞めているわけですから、退職届を出さない会社に対してあまり強く言えないという状況になることが予想されます。