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婚約指輪として最も一般的なラウンドブリリアントカットについて
ダイヤモンドの評価はどこで行われるの?
婚約指輪として最も一般的なラウンドブリリアントカットについて
(画像引用元:https://www.youtube.com/watch?v=wAMSc69NOi8)
婚約指輪で良く見かける円形のダイヤは、『ラウンドブリリアントカット』と呼ばれ、婚約指輪のほとんどはこのラウンドブリリアントカットのダイヤモンドを使用しています。
それはダイヤモンドに対して発行された鑑定書の90%以上がこの『ラウンドブリリアントカット』というほど。
なぜダイヤと言うと、この形なのでしょうか?
それはラウンドブリリアントカットが「ダイヤモンドの輝きを最大限に発揮させるカット方法」とされているからです。
1919年にベルギーの数学者であり、宝石職人でもあったマルセル・トルコフスキー(によって考案されたカット方法です。「ラウンドブリリアントカット」はテーブル面から入り込んだ光の全てが内側で反射され、上部から放たれる58面体の設計となっています。
ダイヤモンドの反射・屈折率といった光学的特性を数学的に考慮した、これ以上にない理想的なプロポーションである事から『アイデアルカット(理想カット)』と呼ばれることもあります。
このラウンドブリリアントカットを原型とした、『ファンシーカット』と呼ばれる、下記のカットもまた有名です。
・オーバル・カット
・ペアシェープ・カット
・マーキーズ・カット
・ハートシェープ・カット
・プリンセス・カット
現在では、研磨技術の向上により、58面以上のカット面を誇るダイヤモンドや、スコープをのぞくと桜が見えるもの、ブランド独自のカット方法など、さらにそのバリエーションは増えています。
ダイヤモンドの評価はどこで行われるの?
ご紹介したダイヤモンドの評価基準4C は、ダイヤを選ぶうえで客観的な指標となります。
ダイヤモンドをパッと見て「このプロポーションはエクセレントだ」など、分かる人は、目の利くバイヤーやジュエラーにも存在しません。
だからこそ、4Cグレード が記載された鑑定書の「信頼性」が非常に気になりますよね。
ダイヤモンドの評価は、一体日本のどこで行われ、本当に信頼できるものなのでしょうか?
日本における4C評価機関
実は、鑑定書は素人でも発行出来ます。
公的機関が発行している訳ではないため、だれでも発行できてしまうものなのです。
そこで日本国内の鑑定機関は、宝石鑑別団体協議会(AGL)に統括されるようになりました。気を付けたいのは、鑑定書の全てがAGLの元で発行されている訳ではないという事です。
29の団体が加盟していますが、「ダイヤの4C をごまかして、高く売りたい」という業者であれば、加盟機関以外から鑑定書を発行するケースもあるようです。
そのため、私たちがダイヤモンドを選ぶ際には「信頼できる鑑定機関発行の鑑定書なのか?」を、チェックする事が大切です。
基本的には、加盟団体であれば大きなルール違反をすることはないと考えられますが、ダイヤモンド鑑定は人の目によるところが多いため、「チェックの厳しい機関・そうで無い機関」があると言われるのも事実。
そのため、どの鑑定機関が信頼されているのかを知っておくことが大切です!
信頼出来るダイヤの鑑定機関は?
AGT(AGTジェムラボラトリー)
1971年に創立され、かつては4Cの生みの親であるGIA(米国宝石学会)と提携していました(2000年まで)。
現在では、GIAとの提携は全くなく、AGTジェムラボラトリー独自の鑑定書を発行しています。
現在でもその鑑定方法はGIA方式に基づき、GIAのマスターストーンを使用し、カットグレードは、GIA Facetware Estimatorデータベースを使用しています。
一流百貨店の宝石店でも、使用する事の多い鑑定機関です。
※GIAとは?
GIAとはアメリカの宝石鑑定機関で、世界的にみて、最も厳しい鑑定方法がされていると言われています。
『GIAで鑑定されたダイヤが他社で鑑定されると、ランクが高くなる』とすら言われる事も。
現在でも、GIAで鑑定されたダイヤにはその信頼性からプレミア価値が付き、2~3%ダイヤの価格がアップすることもあります。
GIA TOKYO
2012年に開設し、日本におけるGIAのラボ部門を担います。
鑑定書の発行・再発行が可能です。難点は、表記が英語という事。
ただし、GIA直属の鑑定機関というだけあり、信頼度はかなり高いです。
CGL(中央宝石研究所)
1970年に設立された、日本のダイヤモンド鑑定書の6~7割を発行している、日本国内で最もメジャーな鑑定機関です。
GIAと同様の評価方法が取られ、鑑定書には、「GIAグレーディングシステムに準拠していること」「カットグレードの決定にはGIA Facetware Cut Estimatorデータベースを使用していること」が記載されています。
ダイヤモンドの鑑定書はいくらぐらいで発行可能?
鑑定書を発行する値段は、ダイヤモンドのカラットに応じて1,000~ 1万円前後です。
ダイヤは0.01カラットから鑑定可能ですが、原価5,000円位のダイヤモンドに鑑定書をつけても、あまり意味はあません。
0.2カラットのダイヤモンドであれば、鑑定書がついていないケースが多く、0.3カラット以上からグレードの高いダイヤであれば付く事が一般的です。
10万円以上のダイヤモンドであれば、是非とも鑑定書は欲しいところです。
鑑定書の発行に費用が掛かること、そして特に信頼できる鑑定機関発行の鑑定書のついたダイヤは、その品質の信頼性から、価格が高くなる傾向にあります。
ダイヤモンドスパークレポート
CGL(中央宝石研究所)が開発した、ダイヤモンドの光の反射パターンを特別な条件で投影し撮影したサブレポートです。
ダイヤモンドの輝きには、ブリリアンス・ファイヤー・シンチレーションの3要素がありることは前にご紹介しました。
このスパークリングレポートでは、それらの3要素の美しさを助長する、光のシンメトリー(対称的に輝くかどうか),光の広がり方(輝きがどの程度四方八方へ広がるか)を確認する事ができます。
レーザードリルホール
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鑑定書に『レーザードリルホール』と記載された、ダイヤモンドを見たことがある方も多いのではないでしょうか。これは、レーザーを当てて処理したダイヤモンドに記載されます。
ダイヤモンドは天然物ですから、生成の過程で不純物を取り込んだまま結晶になることがほとんどです。しかし、こうした不純物は内包物(インクルージョン)と言われ、クラリティ(輝き)に影響を与えてしまいます。
そこで登場したのがレーザーをあてて、インクルージョンを無くす、目立たなくするというレーザードリルホール技術です。具体的には、10倍ルーペでないと確認が難しい位の小さな穴をレーザーであけ、そこから酸を注入して、内包物を漂白するという手順をとります。
この過程をレーザードリルホール技術と呼ぶのです。
最近では、穴をあけるのではなく、レーザーでひびを作り出し、先の処理と同様の方法で内包物を目立たなくさせる方法も出てきました。
どちらの方法にしても、肉眼での確認は難しいですが、前者の場合、横から見るとスーッと一直線の筋が見えます。
こうした処理のされたダイヤモンドは、天然ダイヤと比べると希少価値は下がり、安くなりますが、本物のダイヤモンドであることには変わりありません!
また留め方などによって、その傷跡を目立たなくさせる事も可能です。
「大粒で綺麗なダイヤをお手軽価格で欲しい」という方は、レーザードリルホールと記載されているダイヤモンドの購入を検討してみても良いかも知れませんね!