ダイヤモンドがジュエリーとして真価を発揮するのに最も重要なのが、「カット」だと言われています。

なぜなら、カットによってダイヤモンドの輝き方が大きく異なってくるからです。

ここでは、ダイヤモンドの評価基準「4C」の中で「ダイヤモンドが宝石としての真価が問われる」評価基準、「カット」についてご紹介します。

目次
ダイヤモンドの「CUT(カット)」って一体どんな評価基準なの?
カットの評価基準は5つだけではない!

ダイヤモンドの「CUT(カット)」って一体どんな評価基準なの?

婚約指輪を選ぶために男性が知っておきたい!ダイヤモンドのカットについて
(画像=『KASHI KARI』より引用)

実は、カットの評価項目があるのは、ダイヤモンドで良く見かける『ラウンドブリリアントカット』のダイヤのみです。

それ以外のダイヤモンドは『ファンシーシェイプ』と呼ばれ、対称性や研磨状態のみが評価されるに留まります。

なので、ここでは『ラウンドブリリアントカット』のダイヤのカットについて、ご紹介していきます。

カットグレード判断は複雑で、様々な要素が考慮されて最終的なカット評価となります。

特に、グレード判断では以下の要素が重視されています。

ダイヤモンドのグレード判断基準

基準1:ダイヤモンドのバランス要素

・ダイヤモンドの全体的なバランス(プロポーション)

・研磨の仕上げの状態(ポリッシュ)

・対称性(シンメトリー)の良し悪しの判断

基準2:肉眼で見た時の美しさ

・ブライトネス(ブリリアンス):ダイヤモンドの内部・外部に光が反射して生じる白色の反射光

・ファイアー(ディスパーション):光が屈折を繰り返して生じる虹色の光

・シンチレーション:ダイヤモンドの側面に当たった光が、動きや光の入射によって異なるキラキラとしたフラッシュ効果

以上の要素が総合的に判断され、最終的にカットグレードは以下の5段階に振り分けられます。

カットグレードの5段階評価

婚約指輪を選ぶために男性が知っておきたい!ダイヤモンドのカットについて
(画像=『KASHI KARI』より引用)

・Excellent(エクセレント)

・Very Good(ベリーグッド)

・Good(グッド)

・Fair(フェア)

・Poor(プア)

カットが重要視される理由

これほどにカットの評価が細かく、客観的に行われ、重要視されるのは、カットによってダイヤモンドの光の放射量が変わるからなのです。

ダイヤモンドが光を効率良く取り込み、内部で全反射と屈折を繰り返す事が出来れば、まばゆいばかりに輝きます!

ダイヤモンドの綺麗な輝きは、バランスの取れたカットである必要です。

例えば、ダイヤモンドの内外部に光が反射して生じる白色の反射光『ブライトネス』にだけ優れていれば、美しいダイヤとなるでしょうか。

答えはNOです!

ブライトネスを優先しようとすると、ダイヤのテーブル面(ダイヤを上から見た時のトップ面)を広くとる必要があります。しかし、ダイヤのテーブル面が広すぎると、今度は光が屈折を繰り返して生じる虹色の光『ファイヤー』に悪影響を与えてしまうのです。

つまり、ダイヤモンドの輝きは、全体のトータルバランスがとても大事なのです!

だからこそ、4C の中でも特に綿密な評価基準が設けられています。

婚約指輪・結婚指輪のダイヤモンドで標準のカットグレード

婚約指輪を選ぶために男性が知っておきたい!ダイヤモンドのカットについて
(画像=『KASHI KARI』より引用)

ファッションリングとして使用するのであれば、GOOD評価のものでも問題ありません。

なぜなら、GOOD以上が、ダイヤの輝きを損なわない最低限のレベルと考えられているからです。

婚約指輪・結婚指輪の場合は、VERY GOOD以上を検討される方が多いです。

他の3Cが同じダイヤで、VERY GOODとEXCELLENTと並べてみた時に、違いが分かる方はなかなかいらっしゃいません。

ですが、EXCELLENTとGOODのダイヤを並べれば、輝きの差を感じる方が多く、クラリティ(透明度)はVS以上であれば、肉眼で見た時に大差ありません。

しかし、カットではランク1つの違いが見た目に大きな影響を及ぼします。

そのため、GOODとVERY GOODで悩んでいるならば、クラリティ(透明度)はVS2を下回らないように落として、カットのランクを上げてみましょう!

さらに、カラットとのバランスを考える事も大切です。カラット数が大きくなるほどに、カットの良し悪しが輝きを左右します。

4つの評価基準が絡み合い、複雑で分かりづらいと思いますが、参考として下記基準でダイヤモンドを選んでみるとよいでしょう。

▼ダイヤモンドの指輪を選ぶ上での基準

・0.3ctではVERY GOOD~EXCELLENT

・0.5ctではEXCELLENT以上

カットの評価基準は5つだけではない!

婚約指輪を選ぶために男性が知っておきたい!ダイヤモンドのカットについて
(画像=『KASHI KARI』より引用)

ここまでで、カットの評価基準は5つとご紹介させて頂きましたが、さらに下記ような3つの評価基準が存在します。

・Tripple Excellent Heart & Cupid(トリプル・エクセレント・ハート・アンド・キューピッド 3Ex H&C)

・Tripple Excellent(トリプル・エクセレント 3Ex)

・Excellent Heart & Cupid(ハート・アンド・キューピッド Ex H&C)

トリプルエクセレント(Tripple Excellent Heart & Cupid)とは?

(画像引用元:https://www.youtube.com/watch?v=EIpe0uhIHY0)

トリプルエクセレントでは、カットの評価項目の、プロポーション、シンメトリー(対称性)、ポリッシュ(研磨状態)が全て、最上級のEXCELLENT となっています。

プロポーションがエクセレントになるには、シンメトリー、ポリッシュがvery goodである必要がありますが、トリプルエクセレントは、シンメトリーもポリッシュもEXCELLENT。

つまり、これ以上ない最高峰のカットが施されている事を意味するのです。

ハート&キューピットとは?

(画像引用元:https://www.youtube.com/watch?v=33Dwun3HcZY)

最近話題となっているのが、ハート&キューピットというダイヤのカット。

ダイヤモンドを専用スコープで覗くと、8つのハートと矢が見えます。

これはシンメトリー(対称性)の高いダイヤモンドにのみ現れる現象です。

「ハート&キューピットの見えるダイヤは、カットが優れている」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。

対称性が高ければ現れる可能性が高くなるので、例えば「ハート&キューピッドなのに、カットグレードはVeryGood」というケースもあるのです。

ハート&キューピットに拘りすぎると、対象性に傾き、カットの本質(全体のバランス)には考慮しないダイヤ選びとなりがちなので、少し注意してみましょう。

こうした理由から、カットが「EXCELLENT」のダイヤと、カットが「VERY GOODでハート&キューピット」のダイヤの2択を迫られたならば、EXCLLENTカットのダイヤをお勧めします!

「予算も十分にあり最上級のカットグレードの品が欲しい」という方には、3Ex H&C(トリプルエクセレントハートアンドキューピット)がお勧めです。

※ハート&キューピッドは国際的なカットグレードではありません。

主に日本で知名度が高いのですが、最近では海外でも3Ex H&Cが認知され始め、各国から日本にバイヤーが集まって来る事態も発生しています。